今回は2020年10月12日にリリースされたデジタルシングル「エメラルド」の歌詞考察をしていきます。
TBS系日曜劇場「危険なビーナス」主題歌の「エメラルド」は、ヴォーカル・ギターの清水依与吏さんが作詞と作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!

エメラルド 歌詞考察
日曜劇場「危険なビーナス」について
TBSの日曜劇場枠で2020年10月クールで放送されたドラマ「危険なビーナス」。原作は大人気ミステリー作家・東野圭吾さんの同名小説です。そのあらすじを簡単にご紹介しておきましょう。
妻夫木聡さん演じる手島伯朗(てしま・はくろう)は、吉高由里子さん演じる謎の美女・矢神楓(やがみ・かえで)にある日突然出会います。
伯朗は楓の明るい振舞いの中に時折垣間見えるミステリアスな魅力に翻弄されながら、名家である八神家の遺産相続争いの渦に次第に巻き込まれていく、というラブ・サスペンス作品となっています。
憧れと眩しさ


歌詞の中の登場人物は主人公の「僕」と「君」です。
主人公に対して「君」はキスをしますが、それは「丁寧」だけれども「深い傷を残す」とあり、時間は「6秒間」とあります。
主人公は受け身のようで、キスの主導権は「君」が握っています。伯朗が楓に終始翻弄されるドラマとも立ち位置がリンクしているようです。
そのキスは決して適当なものではないけれども、同時に主人公をがっかりさせるようなもののように見受けられます。
7秒間見つめ合うと恋に落ちる、という「恋の7秒ルール」というものが巷では存在すると言われています。
このルールに則って前述のキスをみてみると、7秒ではなく「6秒」と僅か1秒足りないものとなっています。
二人が恋に落ちてしまうには微妙に足りないキスしかしてくれないと言う訳で、主人公は「君」に対して不満や不安要素を抱いてしまうのです。
主人公は「君」からのキスに対し官能を感じるものの、一方で恋の手応えは感じられず、傷ついているのが見て取れます。
次に、「世界中の灯」「綺麗」「スパンコール」更にはタイトルである「エメラルド」とキラキラとした輝きを連想させる言葉が連なっています。
「君」は輝くような美しさを纏っており、主人公にとってはまぶしい存在なのです。
「切なさ」「恋しい」とあり、唇を重ねたところで、「君」の想いは主人公のそれよりも小さいことが伺えます。
ここからも、二人の関係性は決して対等ではないことがわかりますね。
魅力的な君と服従する僕

「はだけるより大胆に」とあり、随分と「君」は主人公に対して挑発するように「大胆に」振舞っている様子です。
しかしながら、「芸術的なフォルムで」「見たいとこ」はしっかりと「隠す」という高度な技で「君」は主人公を挑発しているのです。それなりに相手に手の内は見せるけれど、正直に全ては曝け出さない、という「君」のスタンスがわかりますね。
「君」は主人公を誘っているように見せかけて、実のところはしっかりと二人の間に線引きをして距離を保っているかのようです。
そして簡単には見せない、という「君」のプライドの高さも感じられます。
そんな魅惑的な「君」に主人公は骨抜きにされているかのようで、「這いつくばって 首輪も付けるぜ」と「君」の言いなりになっても構わないとすら思っているようですね。
更にそんな「君」に「毒」があっても「堪能したい」とまで言わしめています。
ここはドラマがミステリー作品ということで、サスペンス風味を醸し出した言葉選びになっているかと思いますが、この歌詞の中の「君」もどこかミステリアスでダークな雰囲気を持つ女性であることが伺えます。
それ故に主人公は「君」に魅了されてしまっているのでしょう。
1番サビラストでは、「今君の未来は 誰のものなの」でしたが、2番では「溢れた台詞さえ 君の思うまま」と変わっています。
1番ではドラマの楓が本当に伯朗の義理の妹なのか?と何度もその関係性を疑う部分を表しているように見受けられます。
そして、2番では発言すら主導権を握っているのは「君」であるという関係性が表され、ドラマでも伯朗が終始楓の言動に振り回されている状況とリンクしているようです。
手の届かない君

「僕に聞こえない様に」とあり、やはり主人公と「君」との間には距離がある様子が見て取れます。
そして「誰も適わない」と続き、主人公だけでなくどんな人も「君」とは対等若しくはそれ以上の立場になることは不可能だと語っています。
また、「君」は「星を纏う」とあり、簡単に手の届く相手ではないことと、キラキラと輝き、主人公にとって眩しい憧れの存在であることがわかります。
ラストのサビでは「切なさ」「苦しい」とあり、主人公が想いを募らせている様子がわかります。
また「とどめを指してよ」とあり、ドラマを意識しているかのようなミステリアスな雰囲気の言葉選びとなっています。
つれない「君」に想いを募らせて苦しんでいる主人公は、苦しいのならいっそのこと「君」から「とどめを指して」欲しいと願うほどになっています。
如何に主人公が「君」の魅力にどっぷり嵌まってしまっているかが見て取れますね。

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さいごに
本楽曲「エメラルド」ではどこかミステリアスな部分を持つ魅惑的な女性に嵌まって苦しい恋をしている主人公の気持ちが描かれたラブソングとなっています。
ドラマ「危険なビーナス」の楓に翻弄されつつも惹かれてしまっている、少し情けない主人公・伯朗の姿と重なりますね。
ドラマのミステリアスな世界観とリンクさせ、魅惑的な大人の恋愛模様を描き出した「エメラルド」。
本楽曲を手掛けたback numberの今後の曲にも是非注目したいですね!