「ドラゲナイする」とか「めげない しょげない ドラゲナイ」など、社会現象を巻き起こした「Dragon Night」は2014年10月にリリースされた、セカオワことSEKAI NO OWARIのメジャー7th(通算9th)シングル。
ノリノリの歌モノEDMにはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
Fukaseさんが作詞・作曲、セカオワとオランダのEDM DJ、ニッキー・ロメロが編曲・プロデュースした「Dragon Night」の歌詞の意味を考察します。
ドラゲナイ現象とは?
「ドラゲナイ」は「Dragon Night」の空耳。
「ドラゲナイする、ドラゲナイやる」とはFukaseさんのように歌うことです。
英語バージョンのMVでも確認できるとおり、トランシーバー(ダミーラジオケース)、旗、モッズコート(米軍M-51シェルパーカー)が必須アイテムと言えるでしょう。
「めげない しょげない ドラゲナイ」は、NHKの道徳番組「ざわざわ森のがんこちゃん」主題歌(オープニングテーマ)の谷啓さん「がんがん がんこちゃん」が元ネタです。
吉幾三さん「俺ら東京さ行ぐだ」とのMAD動画「ドラゲネェ」がニコニコ動画にアップされるなど、思い思いの「ドラゲナイ」が拡散。
Fukaseさん自身も「ドラゲナイ」とツイートしたことで、公認となりました。

Dragon Night 歌詞考察!
モチーフはクリスマス休戦

「Dragon Night」の歌詞は「クリスマス休戦」をヒントに描かれました。
第一次世界大戦中の1914年、クリスマスを祝うためにドイツ軍とイギリス軍が一時停戦した出来事です。
この戦争は1914年7月から1918年11月まで続きましたが、「クリスマス休戦」が起きたのは1914年だけでした。
「百万年に一度」というのは大げさかもしれませんが、実際の戦争中に一時停戦するのはそれほど珍しいとも考えられます。
太陽が沈むと夜になるのは当たり前ではあるものの、英語の歌詞では「the sun sets on our home」となっているので、「太陽が家(自分の陣地)にやってくる夜」というニュアンスです。
まるで「太陽」みたいなサンタクロースが休戦というプレゼントを運んできてくれた、奇跡のクリスマスイブ。
どれほど困難が続く夜でも、「こんにちは」と挨拶する昼みたいに明るく祝おうという話でしょう。

セカオワのメンバーが軍用の防寒具を着て、Fukaseさんが旗を掲げながら無線機で歌う理由は、「クリスマス休戦」を表現するためでした。
過去の戦争での出来事を引き合いに出し、現代に生きる自分たちも争いを止めようという展開です。
戦いの真っ最中なら敵と味方にはっきり分かれますが、平和な世の中でも「嫌いな人」は存在するもの。
それでも誰もが自分の「正義」に従って生きているはずなので、相手がどのように考えているのか思いやることが大切ですね。

「ドラゴンナイト」を和訳すると「龍の夜」になりますが、龍は神話や伝説の生き物なので「敵と味方が争いを止めて、友だちになる奇跡の夜」を表しているでしょう。
続くカタカナの部分は「月の光、星の輝く空、火の鳥」という意味です。
「火の鳥」も神話や伝説の生き物で、不死鳥とも呼ばれ、永遠の命を象徴しています。
一晩中、焚き火をしながら歌い踊る祝祭のようですね。
この歌サビの後に、やたらと盛り上がる間奏が挟まります。
これこそが四つ打ちのダンスミュージック、EDMのサビとなるドロップです。
- 邦楽:Aメロ→Bメロ→サビ(Cメロ)
- 洋楽:バース→ブリッジ→コーラス
- ヒップホップ:バース→(ブリッジ)→フック(コーラス)
- EDM:バース→ビルドアップ→ドロップ
ノリノリで踊りましょう!
歌い、踊り続けよう!

オリンピックの聖火や野外パーティーの焚き火など、いずれも炎は平和を象徴する神聖なもの。
「休戦の証」に心が温まります。

誰しも「正義」のために戦ったり、敵のごとく誰かを嫌ったりしがちですが、争う限り、自分だけでなく相手もダメージを負うものです。
必要以上に「正義」を振りかざすと、攻撃と化す可能性もあるので、神聖な炎を見つめるように冷静になり、自分を振り返ることが大切でしょう。

英語バージョンでは「Congratulations!」と3回続けて歌っています。
「おめでとう」とか「万歳」といった祝福の言葉です。
歌い、踊るお祭りは、「戦い」と真逆にある「お祝い」。
この後、1番の歌サビとドロップが繰り返されます。
平和を祝し、歌い、踊り続けましょう!

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さいごに
「Dragon Night」はドキュメンタリー映画「TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI」(2014年8月公開)の主題歌、京浜急行電鉄・羽田空港国際線ターミナル駅(現:羽田空港第3ターミナル駅)の駅メロ(接近メロディ)にも起用されました(2015年10月~2020年10月)。
メジャー2nd(通算3rd)アルバム「Tree」(2015年1月)、ベストアルバム「SEKAI NO OWARI 2010-2019」(2021年2月)、映像作品「The Colors」(2020年2月)などにも収録されているので、併せてお楽しみください。