『どろん』は2020年1月15日にリリースされたKing Gnu3枚目のアルバム「CEREMONY」の2曲目に収録されています。
また、田中圭さんと北川景子さんが主演の映画である「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
作詞作曲を担当したKing Gnuのリーダー、常田大希さんは「愛情への不安や焦燥感」を「ネット社会の脆さ・怖さ」とシンクロさせながら描きましたとコメントを残しています。
Youtubeでは2800万回以上も再生されているKing Gnuの中でも大人気の楽曲です。今回はそんな一曲を考察していきたいと思います!
タイトル「どろん」とは?
タイトル「どろん」の意味とは
今ではあまり使われない「どろん」とは、逃げて行方を眩ませることや退席することなどの意味を持ちます。
作詞作曲を担当した常田大希さんは、映画の登場人物である刑事と殺人鬼の関係性が狐と狸の化かし合いのように感じたため「どろん」というタイトルを付けたのだと話していました。

どろん 歌詞考察
孤独と愛情欲求

歌詞から不安な気持ちが強く伝わってきます。どれほど深く愛し合っていても「期限付き」なのではないか、いつかは薄れてしまうのではないかと不安なのです。
「蚊帳の外」というのは自分だけ仲間はずれのようなことを示していると思います。
孤独を感じながら愛を求めている主人公が想像できます。
「面の皮取り繕って居場所を守ってるんだ」という歌詞から必死に取り繕って振る舞っていることが読み取れます。
ネット社会に当てはめてみても同じようなことが言えると思います。
傷があってもお互い慰め合い、人に嫌われないように自分を取り繕って過ごして居場所を守る。共感できる方も多いのではないでしょうか。
主人公は孤独ではあるけれど心の底から愛を求めているため、最後の歌詞が「あなたの事を待ってるんだ」という本音になっているのでしょう。

白黒をはっきりできない、灰色の自分。曖昧である自分について歌っている部分です。愛されたいのに愛を信じることができない自身の葛藤が表れているのではないかと思います。
厳しい現実

ガードレールは車が道路からはみ出さないようにするためにありますよね。しかし、生きて行くうえで人生にそんなものはありませんよね。この部分の歌詞は厳しい現実への訴えとなっているのでしょう。
ネット社会でも同じです。顔が見えないからこそ余計に、自分が攻撃の対象となってしまった時に誹謗中傷されるかもしれません。
「其処を退け、其処を退け」という歌詞から主人公はもう何が正しくて何が悪いのかがわからず焦っている様子が伺えます。

冒頭と同じサビが繰り返されます。
考察をして行く中でこのサビの「血走って噛み付いた」という部分はこの理不尽な世界に対してなのではないかと解釈しました。

「散らかった部屋」と「締め切った窓」という歌詞が出てきます。これは主人公が不安な気持ちを抱えていることが読み取れます。閉鎖的になってしまい、愛すらも遠ざけてしまいます。
愛を求めながらも、何も信じきれないという複雑な心情が描かれていますね。

「大都会の他愛もない大恋愛」に憧れを抱いているのですが、自分にはできないと諦めているのでしょうか。
「しゃがまなきゃ飛べやしないな」という部分からは主人公の少し前向きな感情が表れているように感じます。孤独を感じているけれど、ここから抜け出したい。そのために行動しなければならないのだという気持ちの表れでしょう。
綺麗事だらけの世界に立ち向かう

前半では無情な社会について訴えられていますが、後半ではそんな無情な社会で「生きていく決心」が伝わってきます。
逆境の中で立ち上がってみせるといった強い気持ちが表れていますね。

大都会についにやってきた主人公ですが、やけに煩わしく感じてしまったのです。ハッピーエンドに向かっていくと思いきや、壁にぶつかってしまうのです。
「ここはどこ、私は誰」と自分がどうしたいのか、どう生きていけばいいのかを見失ってしまいます。
「煌めく宴とは無関係な日常へ吸い込まれ、おやすみ」という部分から、主人公はまた閉鎖的になってしまったのだと解釈できます。再び部屋で孤独を感じたまま愛を渇望するのでした。

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さいごに
このように考察を進めてきましたが、いかがだったでしょうか。生きづらい世の中で必死に孤独に耐え、愛を渇望する主人公を描いた一曲でしたね。
本楽曲は映画のストーリーにとてもマッチするように作られているため、気になった方は歌詞の意味を考えながら映画を見てみてはどうでしょう。
孤独の中で愛を求めていた主人公は最後何も信じられなくなってしまうのか、気になりますね。