今回ご紹介する『ドラマみたいだ』という楽曲はMy Hair is Badの1stフルアルバム『narimi』に収録されている中の1曲です。
待望の1stフルアルバム『narimi』には、My Hair is Badらしい飾らない人間味のある歌詞で多くの共感を呼ぶ楽曲が多く収録されています。
今回は、中でも少し苦い思い出を綴った『ドラマみたいだ』という曲について詳しく考察してきたいと思います。
ドラマみたいだ 歌詞考察
愛し愛される事の難しさ
愛されている人と愛している人は同じ人とは限りません。
歌い出しから自分に問うようなセリフから始まります。
傷つけるという事は、気付けていない事。
それを知っているけど「それだけなんだ」という言葉から、それ以上自分には出来なかったりどこか自分の無力さを感じさせます。
友人に対してでしょうか。
結婚する気がなかったのに式まで挙げてパパになったという周囲の変化が、自分の無力さや出来ていない事への戸惑いが伺えます。
友人に言っているのか、もしくは恋人に言っているのか、とにかく周りと会えなくなった事が自分が周りと違うという事を気付かされます。
最後は一枚だけ残るババ抜きでいう「ババ」が自分であると、ある意味運が悪いんだという言い訳のようにも感じられます。
恋人への後悔
ここで「君」という二人称が出てきます。
この「君」は恋人を指すのでしょう。
既読スルーという表現からLINEなどでのやり取りで、恋人からの不安や不満などが送られてきますが、読んだふりはしますが気にしていません。
「ちゃんとする」この言葉の意味は様々な事を考えさせられます。
友人の結婚の話が出てきた事もあり、その「ちゃんとする」は結婚なのかもしれないし、不安や不満に対してちゃんと一緒に悩んであげたり解決してあげたり。
とにかく恋人である「君」に対して、男が適当に使う「ちゃんとする」という言葉であしらっていたようです。
でもその言葉を恋人である「君」は信じてくれていたのです。
この部分が過去形になっている事から、「やっと気付いた」という風にも捉えられます。
恋人のことを何度も裏切ったことを後悔します。
会ってもヤッても心がない事が裏切りなのでしょう。
「表も切って」とありますが、裏の反対の表という表現で直接的に恋人へひどい言葉を浴びせたのかもしれません。
それでも主人公である「俺」は大丈夫と思っていたようです。
主人公の気づき
この部分は恋人である「君」の心の声かもしれません。
恋人は主人公の事を好きでいてくれています。
しかし主人公はそれを聞いてくれなかったようです。
ただこの主人公は恋人の声に耳を傾けず、駄目になってもまた元に戻れると思っていたのでしょう。
そしてそれが無理だとわかっても、未だに思っている事が馬鹿なことだと言う事にも気付いたのかもしれません。
「光に憧れて」これは大きな何かを意味しているようです。
それは恋人のことかもしれないし、自分自身の夢のことかもしれません。
しかし「灯りを吹き消している」という表現は、目の前の小さな事には目を向けていないという意味に感じられます。
これまでの歌詞からも恋人の声に耳を傾けていない事が「灯りを吹き消している」という事なのでしょう。
しかし一方でその「光」に恐怖を抱いています。
未来を怖がっているからこそ「昨日を抱きしめている」と。
目の前の恋人を良いように利用している。
そんな風に捉えられます。
蘇るのは良い思い出
ここでは恋人との思い出を振り返ります。
タイトルである「ドラマみたいだ」というセリフからして、思い出すのは全て良い思い出ばかりです。
様々な思い出が頭をよぎります。
泣いた時期もあったし、電話で話した内容もプレゼントも。
思い返せばずっと「君」に甘えていたことに気付かされます。
そして自分は「わがまま」で、でも今でも結局「あのまま」のようです。
後悔は別れた後
主人公はそばにいてほしいと願います。
恋人は「あなたでいて」と願います。
この「あなたでいて」とは、わがままな主人公の事を許しているようには思えません。
「あなたでいて」とはある意味、そのままでいたいならもうそばにいれない。
だから「あなたでいて」という表現で、別れを告げているように感じられます。
主人公は結局、言葉で伝えることが出来ませんでした。
これまで既読スルーしたりちゃんとするなどと適当なことを言っていたり、裏切ったこともありました。
でもそばにいてほしかった。
それを言葉には出来るはずもありません。
そしてまた歌いだしのセリフが繰り返されます。
愛されて愛している。
ここまでの歌詞から考えるとより深い意味に捉えられます。
結局、恋人の気持ちには気付いてあげられなかった。
傷つけていた。
その事に気づいた時にはもうすでに遅かったようです。
つまり、恋人だった人へは「傷つけただけ、それだけだった」という事なのかもしれません。
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まとめ
My Hair is Badらしい、ちょっとだらしない主人公が登場する「ドラマみたいだ」という楽曲。
周囲との違いにも違和感を感じ、自分は運が悪いような表現をします。
しかし結局は恋人の想いというものに最後まで気づいてあげられず、気付いたときには後悔しかありません。
思い出が蘇り「ドラマみたいだ」というタイトルのように思い出すのは良い思い出ばかり。
だらしない男の後悔の曲とも言えます。
世の男性が主人公のような人ばかりではないのでしょうが、何故か共感できてしまいます。
それは、誰にでも失敗や後悔はあるもので、妙にリアルな表現で綴られたこの楽曲の魅力かもしれません。
ある意味で自分を見つめ直せる。そんな一曲とも言えます。