多くのファンが見守る中、満を持して公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」!
楽しみにしていたファンの方も多いのではないでしょうか。
映画の主題歌には10-FEETにより「第ゼロ感」が書き下ろされ、物語に彩を飾る事となりました。
今回は話題の渦中にある楽曲「第ゼロ感」について歌詞を考察してみたいと思います。
10-FEETとは
1997年、地元京都で結成、2000年に上京しメンバー3人で共同生活を送っていたそうです。
メンバーは3人構成でボーカル・ギターのTAKUMAさん、ベース・ボーカルのNAOKIさん、ドラム・コーラスのKOUICHIさんで活動されています。
2001年4月1日シングル「april fool」でデビューしますが、レコーディングとツアーばかりの生活が続いた為、地元に居ても変わらないと考えた3人は2年ほどの共同生活にピリオドを打ち帰郷しました。
また2007年からは京都で有名な夏に開催される大型フェス「京都大作戦」を主催している事でも地元に対する愛着が感じられますね。
ちなみに2007年のフェスは台風直撃の為中止となりましたが、もし開催されると、かの有名な祇園祭(祇園さん)と日程がかぶった為サブタイトルは「祇園祭とかぶってごめんな祭」でした。
京都中心にライブに重きを置いて活動していましたが、2022年12月14日「第ゼロ感」が収録されたアルバム「コリンズ」をリリースした事でミュージックステーションに初出演。
25年のバンド活動でテレビでパフォーマンスしたのはこれが初めてとなりました!
名前と縁
結成後、名前について話し合っていたところ、スケールの大きなイメージが良いとなり「1000-FEET」という名前が候補に挙がりました。
ちなみに京都府の河原町丸田町の「びっくりドンキー」での出来事だそうです。
しかし後日「ダサない?」(ダサくない?)となり、名前が「10-FEET」になりました。
実はこの「10-FEET」という名前、バスケットボールにも縁がある言葉で、バスケットボールのゴールの高さが「10FEET」というのです。
10フィートとは約3メートル、届きそうで届かない距離という意味が込められています。
1997年に結成し、「10-FEET」が誕生した時「スラムダンクの楽曲を歌う日が来る」とは思っていなかったのではないでしょうか。
縁の不思議さを感じました。
楽曲 第ゼロ感
2022年12月に公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」の為に書き下ろしされスラムダンクの原作者、井上雄彦氏と共に2年かけて制作した楽曲だそうです。
井上氏は映画の内容を公開まで出さないと言っていたようで、内容を匂わせず、でもスラムダンクという作品に寄り添うのは大変だったのではないかと思いますし、TAKUMAさん自身もそういう言葉の選び方を大切にした、とコメントされていました。
完成試写会では井上氏がTAKUMAさんと目が合った瞬間、握手を求め近付いてきてくれたというエピソードがあり非常に印象的ですね。
第ゼロ感は2022年12月14日にアルバム「コリンズ」に収録されリリースされました。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」
2022年12月3日に公開されたアニメ映画で誰もが一度は耳にした事がある井上雄彦氏の「スラムダンク」が原作となっています。
原作の最終回から実に26年半という時間が経過してからの映画化という事で、根強いファンも多い作品故に、ちょっとした騒ぎにもなりました。
ちなみにスラムダンクは過去アニメ化もされており、原作と同じぐらい愛され、今も生き続けている作品だと言っても過言ではないでしょう。
それだけに、炎上ともとれる騒ぎになった今回の映画公開、実は「声優陣の総入れ替え」が原因でした。
それについて井上雄彦氏は明確ではないものの、前回の声優陣に敬意を示した上で「長く時間が経っているので、それぞれベテランになっていった彼らに育ててくれたキャラクターを一度捨ててくれと言わざるを得ないが、それはできない」といった旨がコメントされていました。
私はここに、全ての「スラムダンク」という作品に対する井上雄彦氏の愛情や拘りを感じ、少し胸が熱くなりました。
今回の映画は井上雄彦氏が監督・脚本も務めており更に続編の噂(あくまで噂です!)もちらほらと・・・まだまだ注目されそうな作品である事は間違いなさそうです。

第ゼロ感 歌詞考察
群れを逸れて夢を咥えた
出典:第ゼロ感 / 作詞・作曲:TAKUMA
それが最後になる気がしたんだ
獣は砂を一握り撒いた
それが最後になる気がしたんだ
安心できる群れ(仲間や家族)の中で過ごす日々を逸れて、夢に本気で向かう決意をした主人公。
何らかのタイミングで「最後だ」と感じたのでしょうか。
強い決意が伝わります。
獣=主人公だと思いますが、この楽曲が提供されたスラムダンクは神奈川県湘南が舞台であり海が近くに広がっています。
主人公が砂浜の砂を一握り、塩の様に巻いた映像が思い浮かびました。
主人公の中で気持ちの切り替わった瞬間だったのではないでしょうか。
不確かな夢叶えるのさ 約束の夜に
出典:第ゼロ感 / 作詞・作曲:TAKUMA
微かな風に願うのさ 静寂の朝に
遠い星の少年は
その腕に約束の飾り
まだ旅路の最中さ 幻惑の園に
不安定に揺れる夢。
努力したからと言って必ず報われる保証はない夢を主人公は追いかけているのかなと思いました。
それでも必ず叶えると誓ったあの夜。
朝早く澄んだ空気の中一日の始まりの時に、微かに吹いた風に夢を乗せた主人公。
「遠い星の少年」とは幼き日の主人公の事だと感じました。
その少年は、今の主人公に繋がる想い出の品を大切に腕に付けているのではないでしょうか。
私はここはスラムダンクの作品の題材となっているバスケからリストバンドを連想したのですが、どうでしょうか。
今もまだ夢へ向かっている途中だよ、と胸の中にいる少年=過去の自分に呟くのです。
霞んで消えた轍の先へ
出典:第ゼロ感 / 作詞・作曲:TAKUMA
それが最後になる気がしたんだ
手負の夢を紡ぎ直せば
それが最後になる気がしたんだ
轍とは車輪の跡、転じて先例という意味に使われますが、私はその先例から、ここでの轍には「目標」であったり「夢」という意味も込められているのではと考えました。
時に霞んで見えなくなってしまう目標や夢も、最後になる気がしたから必死で超えていった主人公。
傷付いたり破れてしまった夢も、かき集め紡ぎ直せばまた「夢」として主人公の生きる理由になるのです。
そして歩き出す主人公。「最後になる気がした」で先程同様、強い決意を感じますね。
熱砂を蹴り抗うのさ 約束の前に
出典:第ゼロ感 / 作詞・作曲:TAKUMA
命綱は無いのさ サーカスの夜に
まだ旅路の最中さ
あの場所に加速するさらに
雨上がりのシャンデリア 幻惑の園に
熱砂とは熱く焼けた砂。夏の砂浜の砂を連想しました。
夏の日の練習・体力作りでしょうか?
辛い練習に耐え、強敵に「負けるかもしれない」という気持ちや現実に抗うチームの姿を歌っているのではないでしょうか。
幼い自分との「約束」を前にして、試合で負けるわけにいかないというのが主人公を突き動かす言動力。
命綱などなく、危険な賭けになるかもしれませんが、男子たるもの行くしかありません。
まだ夢の途中の主人公ですが、そうやって気持ちを振り切り前進することで「あの場所」までの進むスピードを加速させる事になるのです。
雨=辛かった日々、シャンデリア=輝いてる日常つまり、辛かった日々が終わり輝く毎日へと変わっていくという意味でしょうか。
Swish da 着火 you
迷走 smash
Dribble trapper
Kidding me now?Coyote steals the sound
Coyote steals the pass
Coyote steals the sound and passPass code a “Penetrator”
ベース! Bebop!
ゲット triple! Buzz up ビート!ワンラブ and marcy!
Bebop! Heat check!
Vasco da Gama ビート!Pass code a “Penetrator”
出典:第ゼロ感 / 作詞・作曲:TAKUMA
ベース! Bebop!
Wanna buzz up ビート!
Just wanna buzz up ビート!
実はここからの歌詞はメッセージと言うよりも、聞こえてくる単語でイメージを頭の中で映像化して物語に浸るという、少々不思議な歌詞が続きます。
Swishとは「ヒュッ」というを表します。
着火とは闘志に火が付いた瞬間でしょうか。
これから「試合」が始まるのでしょう。
ドリブル・トラッパーなどバスケ用語が並び、「俺を舐めているのか?」という先ほど着火された闘志が燃え始めるイメージが湧きました。
音をぬすむ・パスをぬすむ・音とパスをぬすむ。
非常に動きが活発且つスピードのある球技であるバスケ。
ボールが行き交ったり、人の足音、息遣いの「音」もプレイ中大事な情報となるのです。
その音が盗まれたら・・攻略の困難なゲームになりますね。
「ペネトレイト」とはバスケ用語でオフェンス選手が相手のディフェンスを突破する事を意味します。
「Buzz up」とはロック解除で侵入という意味なのでペネトレイトを駆使し、相手の懐に突っ込んで行け、という意味でしょうか。
「Heat check」はバスケ用語で、調子の良い選手が調子に乗って無茶なプレイをする時に用いられる言葉ですが・・・・それがなんだ、と。
調子がいいならラッキーだ、そのままどんどん突っ込んでゆけ、という意味ではないかと解釈しました。
ヴァスコ・ダ・ガマとは探検家・航海者ですが、彼の様にどんどん挑戦してゆけ!ということでしょうか。
Wannaは「~したい」なので、相手を突破したいだけ、つまり試合に勝ちたいだけ、というシンプルな願望を表しています。
脳内更地にextra pass
出典:第ゼロ感 / 作詞・作曲:TAKUMA
クーアザドンイハビ
「extra pass」とは繋いだパスでより良い状況でシュートが出来るようにするパスを表すバスケ用語です。
脳内更地で、シュート以外の事を何も考えない状態にした超集中モードのに入っている事が分かります。
最後の「クーアザドンイハビ」は3ポイントラインよりも後ろからシュートを打つ「ビハインド・ザ・アーク」を逆から読んでいると10-FEETが公式にコメントしていました。
では何故逆にしたのでしょうか。
私はこの楽曲名「第ゼロ感」が所謂「第六感」の真逆もしくは似て非なるものである感覚だという意味だと考えています。
第六感が理屈では説明できない感覚であるならば、第ゼロ感は悩み抜いて、数知れず泣いて、その後に掴んだ感覚であるという事ではないでしょうか。
バスケをプレイする為に悩んで時に逃げ出し、成長し試合に勝つ(もしくは負ける)能力は決して「天才や才能」の感覚ではなく、全てのキャラクターにおいて「努力の結果」だという事かなと考えました。
それを最後の言葉を反対にすることで表した、と考えると面白いなと思いました!

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さいごに
いかがでしょうか。
今回は映画「THE FIRST SLAM DUNK」の主題歌となっている10-FEETの「第ゼロ感」の歌詞を考察してみました。
最後は少々こじつけの様な感じもしますが、私としてはしっくり来たので、解釈の一つだと読んでいただけると幸いです。