ヒゲダンことOfficial髭男dismのデジタルシングル「Cry Baby」は2021年5月リリース。
漫画「東京卍リベンジャーズ」をテレビアニメ化した「東京リベンジャーズ」のオープニング主題歌です。
「Pretender」や「I LOVE…」などのラブソングが好きな人にとっては「本当にOfficial髭男dismの曲?」というくらい驚きが詰まっているのではないでしょうか。
特撮アニメのオープニングみたいなイントロから始まり、約10回もコロコロと転調。
ヘヴィメタルばりの絶叫とギターソロもあり、MVではボーカルの藤原聡さんがピアノを弾きながらヘッドバンキングする姿も見られます。
なおかつブラックミュージックらしいスウィングのリズムもあったり、なかったり…。
実はもともとヘヴィメタルもブラックミュージックも好きなOfficial髭男dism。
ヤンキー、SF、アクションの要素が混ざったアニメ「東京リベンジャーズ」の世界観に合わせて本領発揮といったところ。
激しい転調はピアノ演奏を間違ったことがきっかけだったそうですが、アニメで何度も出てくるタイムリープが表現されています。
全体的な雰囲気を踏まえつつ、藤原聡さんが作詞した歌詞を順に考察していきましょう。

Cry Baby 歌詞考察!
始まりはケンカのシーン

アニメ「東京リベンジャーズ」の主人公タケミチは26歳の冴えないフリーター。
暴走族に殺された元彼女ヒナタを救うべく、学生時代に繰り返しタイムリープし、暴走族として成り上がる物語です。
その世界観にいきなり入り込んだかのように、1番Aメロはケンカのシーンから始まります。
学生時代タケミチは弱小ヤンキーだったので、ケンカも弱いですね。
ダメージを受けてフラフラになる様子がスウィングのリズムと重なり、強烈なグルーヴを醸し出しています。
ただアニメ主題歌らしい予想通りの始まり方に、藤原聡さん自身はにやけている様子。
「東京リベンジャーズ」の物語に寄り添いながらも、「激しい曲調から美しい曲調へと変わっていく」と曲の解説を挟みつつ、嘘とはぐらかしているようにも受け取れます。
真相はどうなのでしょうか。

1番Bメロではスウィングのリズムは息をひそめ、美しい曲調になります。
藤原聡さん自身は殴り合うケンカはもちろん、言い争うケンカさえ苦手なのでしょう。
冒頭のケンカのシーンや負け惜しみのような嘘は、藤原聡さん流の「冴えない冗談」だったようです。
ここで泣きそうになっているのは藤原聡さん自身、なおかつタケミチとも重なります。
「Cry Baby」の意味

スウィングのリズムが復活する1番サビでは、再びアニメの世界観に入り込んでいます。
タイトルの「Cry Baby」は泣き虫、弱虫という意味。
冴えないフリーターのタケミチは、学生時代にタイムリープしても弱小ヤンキーなので、ケンカでボロボロになって泣いてばかり。
それでもヒナタが殺された最悪の結末をどうにか変えようともがきます。
「リベンジ」は復讐という意味ですが、再挑戦というニュアンスも含みます。
現実に抗い、何度もタイムリープするタケミチ、音楽的におもしろい曲を作ろうと模索する藤原聡さん。
お互いに泣き笑いしながら決意を固めている状況かもしれません。
「どうして」の一言が効いている

2番Aメロもスウィングのリズムが続く、アニメの物語パートです。
敵の攻撃を受けるばかりだったタケミチがいよいよ立ち上がります。
「お前」とはタケミチにとってのヒナタや仲間のことですが、藤原聡さんにとってのタケミチとも考えられるでしょう。
「東京リベンジャーズ」の物語にどっぷり入り込むと「タイムリープの結末が上手くいかなくても諦めずに何度も繰り返す」と解釈できます。
あるいは藤原聡さんがタケミチに抗っているパターン。
「主題歌だからといって日和ることなくOfficial髭男dismらしさを貫くと決めたのに、またアニメの物語に寄り添ってしまった」という意味かもしれません。

「どうして」というヘヴィメタルばりの絶叫へとつながる間奏。
そのあとに続く2番Bメロです。
1番Bメロと同じくスウィングのリズムは息をひそめるので、藤原聡さん自身の内面が描かれているとも考えられます。
タケミチと藤原聡さんは泣き虫、弱虫という点では同じですが、ケンカをする、しないという点では異なります。
Aメロとサビではアニメの物語に寄り添ってケンカを描き、Bメロではケンカが苦手な藤原聡さんの葛藤を表現しているのではないでしょうか。
その矛盾を表現するため「どうして」の一言を挟み込む必要があった。
そう考えてみるのも一興です。
泣きながらでも再挑戦しよう!

2番サビは1番サビとほとんど同じですが、「囚われの~瞳の中で」の部分が加わっています。
タケミチにとっては、ヒナタを失わなくて済むようにタイムリープを繰り返した日々。
藤原聡さんにとっては、アニメ主題歌としての使命とOfficial髭男dismらしさの両立にもがきながら曲作りをした日々。
これらを最後に振り返るイメージでしょう。
何度も挑戦し続ける苦しみは、安定した幸せよりも重みがあるということ。
たとえつらい日々でも涙を流しながら頑張りたくなりますね。

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さいごに
「Cry Baby」は泣き虫、弱虫でも諦めずに何度も挑戦するための応援歌。
アニメ「東京リベンジャーズ」の物語とOfficial髭男dismというバンドの物語が絶妙に絡み合っています。
また、人それぞれ自分の人生を重ね合わせて聴くことも可能です。
失敗続きで心が折れそうになったとき、勇気をもらえるのではないでしょうか。