Saucy Dog(サウシードッグ)「コンタクトケース」の歌詞の意味を考察します。
2ndミニアルバム「サラダデイズ」(2018年5月)の収録曲。
ボーカル&ギターの石原慎也さんが作詞、Saucy Dogが作曲した「コンタクトケース」の歌詞の意味を紐解きましょう。

コンタクトケース 歌詞考察!
未練が残る理由とは?
空のコンタクトケースが
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
今も洗面所でポツリ
君の帰りを待ってるよう
お前も置いていかれたのか
タイトルにもなっている「コンタクトケース」は、語り手の「僕」の部屋の「洗面所」に「空」のまま置かれています。
持ち主は「君=僕の元カノ」でしょう。
中身の「コンタクトレンズ」をつけた「君」は、「僕」の部屋から出かけたまま戻ってきません。
つまり2人は別れたということです。
「コンタクトケースも僕も置いていかれた」とのことなので、別れを切り出したのは「君」で、「僕」は振られた側になります。
そもそも「コンタクト」には「連絡をとる、接触する」といった意味があるので、その「ケース=付き合っていたという事例」だけが残され、中身がない(もう会うことはない)ところに失恋後の切なさがにじみ出ています。
どこで間違ってしまった?
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
思い当たる節は山ほど
君と出会ったあの日までを
遡って苦しくなる
2人が別れた原因はおそらく「僕」側の言動にあり、それも1つや2つの過ちではないとのこと。
まさに「後悔先に立たず」といったところでしょう。
未練が残っているからこそ、交際中の失敗を反芻して落ち込んでいると考えられます。
うさぎのテールみたいなピアス
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
外して眠る君はもう居ないよ
下着姿の真っ白い天使が
僕の横から消えた朝
「僕」と「君」は同棲(または半同棲)していたのかもしれませんし、「僕」の部屋に「君」がたまに泊まりにくる状態だった可能性も考えられます。
いずれにしても「いつもピアスを外して僕の横で眠っていた君は、ある朝いなくなった」という流れです。
「君」が愛用していたのは、ファー(ポンポン)の「ピアス」でしょうか。
その形容詞に「うさぎ」を持ち出し、「白い天使」と重ねているところが詩的です。
今夜の月は明るくてまあるい
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
最後の夜を あぁ思い出すなぁ
あの時君はどうして泣いたの
未だに分からぬまま 答えは出ぬまま
どうやら2人の「最後の夜」は「満月」だったようですね。
「満月」といえば、連想するのは「うさぎ」の模様。
しかも「白い天使のような君は涙を流していた」とのことなので、もしかしたら「うさぎ」みたいに目が赤くなっていたのかもしれません。
こうして「満月を見るたびに最後の夜を思い出すものの、君が涙を流した理由は分からない」ところが未練の残る原因ではないでしょうか。
愛し方は人それぞれ
「寒い夜が続きますが
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
君は元気にしていますか?」
まだ僕はふたりでいた日々から
全く抜け出せずにいる
別れたことを自覚しつつ、心の中で「君」に話しかけたり、メッセージを送りそうになったりしている状態でしょうか。
「理由を明かさず、最後の夜に君が泣いた」ため、「僕のことが嫌いになって別れたわけではない」可能性が残されてしまい、未練を断ち切るのが難しいのかもしれません。
空のコルクボードには
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
無数の小さな画鋲の穴
あれから随分写真も撮ってないな
テプラのシールがやたらと
しつこく張り付いて
綺麗に剥がれてくれないよ
「君」と別れたことにより「コンタクトケース」だけでなく、2人の「写真」を飾っていたと考えられる「コルクボード」も「空」になりました。
「画鋲の穴」には「僕の心の穴」が重なり、「君の不在」から導かれる「空虚な思い」が表現されています。
「綺麗に剥がれない」のは「テプラのシール」だけでなく、「君との思い出」や「君への思い、未練」でしょう。
物理的な描写に心情を重ねる文学的な手法が用いられています。
なぁ教えてくれよ 君とふたりで
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
過ごした事には理由がいるのか?
なんか楽しくて なんか幸せで
それだけでずっといられる気がしていた
「君」が涙を流しながら「僕」と別れた「理由」が、何となく見えてきたのではないでしょうか。
交際や同棲が長くなると、男性は「ずっとこのままでいたい」と考え、女性は「早く結婚したい」と願うパターンがあります。
一概には言えませんが、「交際と結婚の違いをあまり気にせず、結婚を決断するきっかけは仕事」という男性に対し、「出産や育児(の年齢)を踏まえると、結婚は人生の転換期」と考える女性ではすれ違いが起きがちです。
同棲を結婚の前段階と捉え、「結婚する気があるのか、ないのか」と気をもみながらプロポーズを待つ女性にとっては「ずっと幸せなだけ」の関係では困るでしょう。
「どれほど一緒に過ごしても、結婚したいと思わせられなかった」と感じた場合、「理由」を明かさず、涙を流して別れるかもしれません。
愛し方がさ ひとつじゃないのは
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
当たり前なんだよ ありふれていたとしても
この日々はやがて昔話になるけど
決して嘘なんかにはならないよ
僕ら嘘なんかにはならないよね
詳細は描かれていないので、結婚云々は推察に過ぎません。
ただ「僕」自身は「2人の愛し方が違った」と結論づけています。
たとえば結婚を意識するタイミングが異なり、お互いに思い合ったまま結婚には至らず別れた場合でも、たしかに交際していた事実は「嘘」にならず、「昔話」になるでしょう。
君のコンタクトケースを
出典:コンタクトケース / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
今でも捨てられずにいる
君の帰りを待っている
物理的にも心情的にも、「君」と「交際していた事例=コンタクトケース」を「捨てられない」物語が描かれていました。
もちろん男性と女性が逆など、性別にこだわらない「ケース」も考えられます。
「君」が結婚にこだわったのかどうかも推測の域を出ませんが、たしかに「愛し方」は人それぞれです。
「コンタクトケース」が残っている限り、「君が帰ってくる」可能性もゼロではないかもしれませんね。

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さいごに
「コンタクトケース」の歌詞の受け取り方や感想は、かなり人それぞれ異なるのではないでしょうか。
別れた後に交際時の思い出が詰まった物を処分するタイプとしないタイプで意見が分かれそうです。
失恋後の未練についてエモいと共感する人もいれば、キモいと拒否反応が出る人もいるはず。
どちらの「愛し方」も「嘘」ではないでしょう。