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この記事ではMrs. GREEN APPLEの「CHEERS」の歌詞を考察します!
4thアルバムの『Attitude』に収録されている楽曲で、森永製菓「受験にinゼリー」のCMに起用された応援ソングになっています。
「受験」ということで応援ソングの意味合いも強そうですが、いろいろな不安を背負っている人を励ます力強くさわやかな楽曲になっています。
筆者の一考察になりますが、「CHEERS」の素晴らしさが伝わると大変嬉しいです。

CHEERS 歌詞考察
「世界の定規」に合わせなければならない苦しみ

「こうしたい」「ああしたい」と思ってもなかなかうまくいかないことは多いです。
それは学校や会社でもよく感じることでしょう。
でもそれを私たちは我慢し、言いたいことを飲み込むようなことも多いと思います。
そんな情景が浮かぶような冒頭です。
「『自分』と隠れんぼ」という表現ですが、隠れんぼとは一般的には誰かと一緒に行う遊びを指しますが、ここでは「自分vs自分」という構図が浮かび上がってきます。
本音を隠して世界の常識を優先している「私」は、「本当の私」からずっと逃れて隠れて生きているのでしょう。

せっかくの「乾杯」にもかかわらず、ここでは「生ぬるいjuice」と形容されています。
自身の希望通りではなく、周囲の常識や他人の視線によって決められた自分を生きる、モヤモヤ感や虚無感が「生ぬるいjuice」と表現されているように思えます。
その生ぬるさは決しておいしいものではなく、さらに、最後の「遣る瀬無い」につながるものでしょう。
「シンパシー」とは「思いやり、同情」という意味があります。
ここでは他人からのシンパシーでもあるように思えますが、「自分による自分への思いやり」のようにも感じ取れます。
何かを決定しなければならない恐怖

確かになぜ人は「幸せ」を追い求めるのでしょうか?
そんな当たり前のことをに疑問を提示する画期的な歌詞を書けるのが、Mrs. GREEN APPLEの魅力でもあります。
「幸せ」である状態を絶対的な理想にするわけではなく、何も確定させない「中間」を彷徨えたら心は少し楽になるかもしれません。
たとえば、受験競争に勝つことや、出世すること。
高みを目指すことがよしとされる世の中で、自分自身の幸せを自分で決めて良いような風潮ができたら、気が楽になります。
筆者はこの歌詞から、そんなことを感じました。

「くだらない話に万歳」という歌詞からは、今までの遣る瀬無さを一蹴するような軽やかさが感じられます。
自分の周囲や世界の基準に沿って歩んでいた自分を捨て、何かを乗り越えるような視野の明るさも感受できますね。
本当の強さは、不安も抱えること

ここからは「冷え冷えのjuice」と変換され、新たな境地に至っているのが分かります。
ぬるい飲み物より、キンキンに冷えた飲み物の方が良いに決まっていますよね。
でもこの主人公は、何かを打破したり乗り越えたわけではなさそうです。
「ただ恐ろしや」とまだまだ怖い気持ちだって抱えています。
これはCMのような「受験」の状況にも重なりますね。
しかし、そんなネガティブな気持ちを自分自身で十分に理解していることが、本当の強さであるというメッセージには強い説得力があります。
不安もあってこその人生。
それでも突き進む人の方が、人の痛みも分かりよっぽど強い人なのではないでしょうか。

一見素敵に見える「愛してる」の言葉。
しかし、どんなところでも不用意に使用され、その言葉の重みは形骸化しています。
「愛してる」だけではなく「頑張れ」「大丈夫」などのポジティブな言葉も、たまに軽く聞こえてくる瞬間はないでしょうか?
そんなアンニュイな世の中で、主人公が見つけたのは「四つ葉のクローバー」。
嘘を吐かないその真摯な幸福の植物からは、主人公が何か「確固たるもの」を見つけた予感が感じられます。
生ぬるい世界でも私らしく進もう

はたまた最後は「生ぬるいjuice」で締めくくられています。
しかし今までとは異なり、「ブルーな気分にbye-bye」と歌われることで、生ぬるい現実もやるせない気持ちも清濁併せ吞みながら突き進む疾走感が感じられます。
まさに受験や仕事、未来や正解のわからない苦しい状態に苦戦しながらも、自分がニコっとできる瞬間を求めてやまない人間の姿は格好いいです。
泣いてもメゲても、世界はグラグラしてやみません。
それでも一心に進む人々を応援し、その醜さと美しさの両方を肯定してくれるのが「chhers」だと思います。

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さいごに
Mrs. GREEN APPLEの「CHEERS」の歌詞について考察しました。
一意見ですが、人間や世界の「暗い部分」に目を背けない素晴らしい応援ソングだと感じました。
本楽曲へのコメントを見ると、やはり受験真っ只中に聴いている人も多いのが印象的でした。
未来が分からない不安を抱えながらも、ただひたすらに希望を抱くのを肯定してくれる、今までにはないエールのような曲だと感じました。
何か憂鬱な時や、正解が分からない問いを抱いた時に聴いていただきたい一曲です!