Vaundyさんのデジタルシングル「Bye by me」(2020年4月)の歌詞の意味を考察します。
安達祐実さん主演のドラマ「捨ててよ、安達さん。」(2020年4月~7月)のオープニングテーマとして書き下ろされました。
Vaundyさんが作詞・作曲・編曲した「Bye by me」の歌詞を見ていきましょう。
ドラマの概要
「捨ててよ、安達さん。」は女優の安達祐実さんが本人役・安達さんを演じる、オリジナル脚本のドラマ。
安達さんが女性誌の「毎号一つ私物を捨てる」連載企画を引き受けると、謎の少女と擬人化した捨てられない私物が夢に現れ、「自分を捨ててほしい」と懇願する物語です。

Bye by me 歌詞考察!
捨ててもいい

楽曲のテーマ「安心して捨ててもいいんだよ」は、ドラマの内容を反映しています。
語り手は擬人化した捨てられないモノ、語りかけている相手は安達さんです。
平日の始まりにどこかへ出かけようとする安達さんを、部屋で見送るモノ。
離れがたいと駄々をこねるわけでもなく、そっけない態度ですが、実は安達さんのことを気にかけているようなニュアンスがただよいます。
Vaundy(バウンディ、ばうんでぃ)さんは東京出身の江戸っ子だからなのか、アーティスト名に由来するのか、語尾に「~でぃ」とつけがち。
月曜日を表す「まんでい」もひらがな表記になっていて、温かい印象を受けますね。

火曜日に仕事帰りらしい安達さんを部屋で迎えたモノは、軽く話しかけながらもそっと見守っているような雰囲気です。
モノに意識が宿っていると仮定すると、ずっと生活を共にしていることになり、住人の些細な変化や心の機微にも気づくかもしれませんね。

安達さんは思い出の詰まったモノ、捨てられないモノを見つめていたのでしょう。
水曜日、モノは一歩踏み込んで安達さんに「辛いでしょ」と語りかけました。
誰かにもらったプレゼントかもしれませんし、何らかの「辛い」記憶と直結するモノのようです。

不要なモノをなかなか捨てられないのは、「過去」の思い出に執着があるからでしょう。
「過去の日々に名前をつける」という詩的な表現は、モノが擬人化するドラマの内容ともリンクします。
リスナーそれぞれに昔の栄光が忘れられないとか、元恋人に未練があるなど、無理を承知で「あの頃に戻りたい」と願わずにはいられないこともあるかもしれませんね。

1番のサビの「もういい」は「捨ててもいい」という意味。
モノ側には「安達さんの過去の辛い記憶が詰まった不用品」という認識がある設定になっています。
そんな「過去」への執着から解放されるためには、モノを捨てたほうがいいでしょう。
安達さんがモノを捨てること、「過去」を忘れることに対して罪悪感を抱かないように、モノのほうから「自分にはもう何も残っていない」と優しく語りかけています。
サヨナラして楽になろう!

木曜日、安達さんの帰りが「遅い」と心配するモノには母性も感じられますね。
安達さん自身、子役から活躍している女優であり母親です。
夢に現れた謎の少女との関連性も示唆しているでしょう。

金曜日に安達さんが「思い出した」であろう「あのこと」は、ドラマの内容につながります。
さらに、リスナーそれぞれが自分の記憶を重ねることもできるでしょう。

タイトルの「Bye by me」を表しているのが「サヨナラ」です。
必要以上に反芻してしまう「過去」の記憶はいったん忘れるというか、日常的には思い出さない無意識の領域に落とし込んだほうが健康的。
モノを捨てることで「過去」への執着から解き放たれ、「楽」になったほうが良さそうですね。
この後、1番のサビが繰り返されます。
執着を手放す実践方法

お酒の飲みすぎは健康的ではありません。
1番のサビにも出てきた「もういい」という言葉が繰り返されますが、ここではお酒の量が「もう十分」という意味です。
「過去」に執着すればするほどお酒の量が増えるという悪循環を断ち切るためにも、「そろそろ潮時でしょう?」といったニュアンスが感じられます。

「思い出すことを愛していた」という発想がこのうえなく優しいですね。
「過去」に囚われていると自覚しても自己嫌悪に陥るだけで改善できない可能性もありますが、根底には「愛」があったと肯定されると執着を手放しやすくなるでしょう。

「もういい」は「忘れてもいい」にもつながっていました。
生きている限り、常に「今この瞬間」の連続で、インプットする情報も記憶も増える一方です。
日常的に何に意識を集中し、何を無意識の領域に追いやるかは自分次第。
嫌なことを「忘れて」前向きに生きたいものですね。

「過去の傷を愛していた」という発想転換術と「モノも傷もまた増えるから、捨てても大丈夫」という実践的なアドバイスで締めくくられました。
さっぱりした気分で「新しい日々」を迎えられるのではないでしょうか。

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さいごに
「Bye by me」はドラマの内容を反映しつつ、過去に執着しがちなリスナーにとっても役立つ歌詞になっていました。
モノや傷を捨ててもしばしの「サヨナラ」で、「またね」と再会する可能性もあると考えると、さらに気が軽くなる(執着を手放しやすくなる)のではないでしょうか。