「ブルーベリー・ナイツ」は「マカえん」の愛称で親しまれているマカロニえんぴつ、4thミニアルバム「LiKE」(2019年2月リリース)のリード曲。
2ndアルバム「hope」(2020年4月リリース)にも収録されています。
ボーカル&ギターのはっとりさんが作詞・作曲。
井樫彩監督によるMVでは、男性2人に女性1人という友だち同士の三角関係が描かれています。
ブルーベリー色の薄暗い夜、はっとりさんの花火越しのキスシーンも話題になりました。
歌詞の主人公は女性。
男性のはっとりさんが元彼女をイメージして作ったそうです。
このリアルなエピソードやMVを踏まえ、歌詞の意味を考察します。

ブルーベリー・ナイツ 歌詞考察!
「ブルーベリー・ナイツ」の意味

韻を踏みながら、矛盾する女性の内面が描かれています。
せっかく恋愛関係にあっても、お互いが同じ熱量で愛し合っているとは限りません。
日付をまたいだ深夜1時、約束を破り、やってこなかった彼氏と別れる決意したのでしょう。
信じても、うらぎられてばかり。
心のさびしさを身体で埋める悲しい間柄です。
それでも嫌い、好きという矛盾した感情が交錯しています。
別れると決めても、なかなか別れられないのかもしれません。

彼氏に渡した合鍵を返してもらえば、きっぱり別れたことになります。
それでも本当はいつまでも合鍵を持っていてもらいたい。
愛があるならいつでも会いたい、そんな本音の裏返しのようにも聞こえます。
こうした駆け引きを何度も繰り返している恐れもあるでしょう。

女性の本音が爆発するサビです。
普通に愛し合っている時期もあったかもしれませんが、彼氏はもう彼女のことを愛していません。
他に好きな人ができたのか、単純に彼女への思いがなくなってしまったのか…。
それでも女性は彼氏にすがりついています。
しかも自分をブルーベリーになぞらえ「食べて」とねだる始末。
だから彼氏の心が離れたのでは?と心配になるほど、メンタルが弱い状態ですね。
これこそが「ブルーベリー・ナイツ」。
英語の綴りは異なりますが「とてもブルー(憂鬱)な夜」とも解釈できます。
おまけに複数形なので、女性は夜な夜な彼氏にすがっているのでしょう。
自暴自棄になっている

恋愛だけでなく、あらゆる人間関係は信頼のうえに成り立つものです。
何らかの目標を達成するために、必ずできると自分を信じることも大切。
ところが裏切られてばかりだと、惨めな気持ちになるのも無理はありません。
本当はどん底状態のときこそ、ポジティブに前を向けるかどうかがポイントです。
しかし女性は深夜1時の彼氏の裏切りに別れを告げながらも、「信じた自分がバカだった」といわんばかりにネガティブに浸りきっています。

彼氏は彼女のもとにやってこなかった。
それはまぎれもない事実です。
姿を現さず、心も離れています。
女性は現実を直視しながらも、彼氏への未練が断ち切れず、泣きわめいています。
その原因は彼氏の残り香でした。
女性の部屋に彼氏の服が置いてあったのかもしれません。
ベッドのシーツやカバーからほのかな香りが漂い、彼女の眠りを邪魔する様子も想像できます。
1番では、本当は運命の相手であってほしかった彼氏に向かって「食べて」と懇願していました。
残念ながら2番では、「相手は誰でもいい」と自暴自棄になっています。
本当は運命の相手と出会いたい

あまりにも生々しい現実すぎて、空想話や昔話みたいに昇華できないと嘆いています。
女性が自暴自棄になったところで、救世主のような新たな男性たちには相手にされず、堂々巡りだったのではないでしょうか。
彼氏に振られた失恋状態、なおかつ未練が残りまくり。
その裏返しで「誰でもいい」心境に陥っているだけです。
もし神様がたくさん存在したとしても、恋愛がすべてかのような不安定な泥沼から抜け出さない限り、誰とも信頼関係を築くことは難しいでしょう。

失恋を受け止めきれない錯乱した状態から、ほんの少しだけ前を向く気配が見えました。
それは「忘れたい」と「遅いかな」の2か所。
心が離れた元彼なんて、とっとと忘れるに限ります。
人間はネガティブな経験を忘れることで、健全なメンタルを保つ生き物です。
完全に忘れることはできなくても、何度も頭の中で反芻するような執着を捨てることがポイント。
さんざん「もう遅い」とわめいた果てに、やっと「本当に遅い」と腑に落ち始めたのでしょう。

最後まですがり、自暴自棄になっているようですが、とにかくネガティブな内面を吐露しまくりました。
ようやくバカらしいことをしたと気づき始めた頃でしょう。
「誰でもいい」なんて言っていたら、もっと自分を傷つけることになります。
それがわかっているから、「潰して」という表現になってしまったはず。
自分を大切にしていれば、裏返しの駆け引きは必要ありません。
いつか「信じることは楽しいこと」と心から実感できるようになるでしょう。
新たな運命の相手と出会えるといいですね。

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さいごに
この歌を作るきっかけとなった、はっとりさんの元彼女はウォン・カーウァイ監督の香港映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(2007~2008年公開)が好きだったそうです。
ジャズ歌手ノラ・ジョーンズ主演、ジュード・ロウやナタリー・ポートマンも出演しています。
彼氏に別れを切り出され、失恋。
未練が残るまま、新しい恋の予感もありつつ、自分探しの旅に出る女性の物語です。
オマージュした映画と照らし合わせると、「ブルーベリー・ナイツ」の彼女も自分らしさを取り戻そうとしているのでしょう。
仕事や大事なことに夢中になっているときのほうが、他人からは魅力的に見えることもあります。
恋愛を忘れているくらいのほうがモテたりもするので、失恋したときは自分を見直すと良さそうですね。
果物つながりで、マカロニえんぴつ「レモンパイ」と比較して聴いてみるのもおもしろいでしょう。