オレンジスパイニクラブ(オレスパ)の1stシングル「敏感少女」(2019年1月)の歌詞の意味を考察します。
「ザ・童貞ズ→The ドーテーズ→オレンジスパイニクラブ」と改名後初のシングル。
作詞・作曲をギター&コーラスの弟スズキナオトさんが担当した「敏感少女」の歌詞をチェックしましょう。

敏感少女 歌詞考察!
女性ファンの心理を代弁している?

「敏感少女」の登場人物は「君」と「俺」ですが、「語り手は誰なのか?」の判断は難しいところです。
「君がバンドでうたってる曲」という表現をストレートに受け取ると、語り手はオレスパのようなバンドのファン「敏感少女」になるのではないでしょうか。
要するに女性ファンの気持ちを代弁しているスタイルです。
語り手は「俺」とも考えられますが、ひとまず女性目線で考察していきましょう。
女性は「イヤホンの片っぽが聞こえなくなり、これでもしテレビで君の曲が流れたら、片耳はイヤホン、もう片耳はテレビの音が聞こえるから電波ジャックみたいだね」と冗談を言っています。
「ジャック」と「ジョーク」で韻を踏むなど、女性は「君」に楽しい音楽を期待しているようです。

朝寝坊したり、アクセサリーをどこに置いたのかわからなくなったり、些細なことで「イライラ」する日常が描かれています。
「好き・嫌い、〇×、叱って・分かって、兄弟」などの対比があり、矛盾する気持ちを持て余しているようです。
連想できるのは、ボーカル&ギターの兄スズキユウスケさん、ギター&コーラスの弟スズキナオトさんの姿。
「ブランド」と「ランド」で韻を踏みつつ、高価な買い物やテーマパークで遊ぶより、バンドの音楽が好きという思いが伝わってきます。

1番のサビです。
不満だらけの日常から逃げ出すように恋人と「デート」しても、煙草の臭いが気になったり、気まぐれな駆け引きをしてみたり、心は満たされないようです。
「電波」というのは冒頭の「テレビ」と幻聴のようなニュアンスも含まれるでしょうか。
「不安」で押しつぶされそうになるほど、混乱しているようです。
敏感少女に届いてほしい

「398.5×2=797」なので「泣くなと言ってほしい」という意味でしょう。
「TEL」と「待ってる」、「だって」と「ばっか」で韻を踏んだり、「くよ」が1つ多かったり、「ばっか」を繰り返すなど、言葉遊びが連発しています。
グチばかりになるほどストレスがたまっているときこそ、冗談めかして楽しい気分になろうというメッセージではないでしょうか。

「偏見」という言葉もやたらと繰り返されていますが、具体的な例は示されずに「自己完結」しています。
自分自身が誰かから「偏見」をもたれて困ることもあれば、誰かに対して自分自身が「偏見」を抱いてしまうこともあるでしょう。
片方の耳から聞こえたテレビの音、もう片方の耳から聞こえた「君のうた」のどちらかに偏るのは「偏見」かもしれないけれど、「それでも君のうたを信じる」という話のようです。

ここでも「強く」や「後と跡」の繰り返し、「青」と「窓」で韻を踏むという言葉遊びが用いられています。
恋人が忘れ物をしたうえに、匂いだけ残してどこかへ行ってしまった状況でしょうか。

2番のサビの前半です。
恋人には他にも好きな人か付き合っている人がいるのかもしれませんね。
遊び半分で付き合うくらいなら置き去りにされたほうがマシという意味でしょうか。
それより「君」が作る音楽で、楽しい気分にしてほしいのかもしれません。

2番のサビの後半です。
「三つ葉に葉ひとつ足す」と四つ葉になります。
「三つ葉」のクローバーは「信仰、希望、愛」を表していて、そこに「幸運」を加えることで四つ葉のクローバーになるという考え方を参考にしているのでしょう。
恋人が「いつもより優しい」ときは浮気など、何か隠しごとがあるというのが定番です。
何らかの異変に気づいているので、相思相愛の「幸運」という「不安定で根拠のない想い」は信用していないのでしょう。

落ちサビです。
ここから語り手が「俺」になっているのではないでしょうか。
日常生活では「イライラ」することばかり、恋人とも上手くいかない女性が求めていたのは「君のうた」です。
オレスパのボーカルは兄のスズキユウスケさんなので「君=兄」、「敏感少女」を作詞・作曲したのは弟のスズキナオトさんなので「俺=弟」が当てはまるでしょう。
ファンがどのような日常生活をおくり、なぜオレスパの音楽を必要としているのかを追求し続けた結果が「敏感少女」なのかもしれませんね。
音楽の初期衝動をどうにか形にしようとしている姿が想像できます。

オレスパの音楽を聞くことで、生きづらい世の中でもどうにか生き抜いていられるという「敏感少女」も多いのではないでしょうか。
オレスパはそんなファンの心理に寄り添い、熟考を重ねて音楽を生み出していることが伝わってきます。
1人でもたくさんのリスナーにオレスパの音楽が届くといいですね。

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さいごに
「敏感少女」は1stミニアルバム「イラつくときはいつだって」(2020年1月)にも収録されています。