go!go!vanillas(略称:バニラズ、ゴーバニ)のメジャー1stシングル「バイリンガール」(2015年4月)の歌詞の意味を考察します。
メジャー2nd(通算3rd)アルバム「Kameleon Lights」(2016年2月)の収録曲。
ボーカル&ギターの牧達弥(まき たつや)さんが作詞・作曲した「バイリンガール」の歌詞の意味をチェックしましょう。

バイリンガール 歌詞考察!
水色の恋とは?
どんな言葉並べて 待っていても
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
あなたの見てる世界 もう私はいない
絡まった指がほどけてゆく
女の武器も底をついて 疲れ果てた
タイトルの「バイリンガール」は、「バイリンガル(2か国語を話す人)+ガール(女の子)」の造語です。
「どんな言葉」から始まっているところが楽曲全体の仕掛け(前フリ)で、言葉遊びが散りばめられた「2つの言葉を操る女性」目線の失恋ソングになっています。
「女の武器」は具体的に「涙、色気、か弱さ、甘え、笑顔」などが挙げられるでしょうか。
語り手の「私=バイリンガール」(女性)はあらゆる仕掛けを駆使して「あなた」(男性)をつなぎ止めようとしたものの、最終的には「どんな言葉」も通用せず離れてしまったようです。
馬鹿みたいに撮ったポラロイド
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
今じゃ天国から地獄に様変わり
ことの発端は些細 巻き戻せたなら
本当の言葉で喋るよ バイリンガール
交際当時は「あなた」に対して「嘘の言葉」ばかり並べていたけれど、もし過去に戻れるなら「本当の言葉」で話すと後悔しています。
つまり「本当の言葉=本音」と「嘘の言葉=建前」という2つの言葉を使い分ける「バイリンガール」だったということ。
「本当と嘘」や「本音と建前」に呼応する対比が「天国と地獄」です。
付き合っていたときに浮かれて「天国」気分でやらかしたことが、別れた後には「地獄」と化してしまいました。
「女の武器」のうち「色気」を使ったとか、いわゆる「バカップル」だったのかもしれませんが、取り返しのつかない事態に発展する可能性がある軽はずみな行為はくれぐれも慎むべきですね。
水色の恋は泡となり 溢れた想いも弾けて消えた
変わらない変われない 私だけが振りだしに戻るドントクライ 土砂降りだけど ドントクライ 今にみてろ
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
サヨナラ 勝手すぎる お前のお前の替えおいていけ
1番のサビです。
「水色の恋」は清純派アイドル、天地真理さんのデビューシングル(1971年10月)、ポール・モーリア編曲のインストカバー(イージーリスニング)で知られる「恋はみずいろ」(1968年1月)という、さわやかな2曲が連想できます。
「嘘の言葉」で彩られた「さわやかな恋=水色の恋」は、中身が空っぽで実体のない「泡」(あわ)と化して終わってしまいました。
「泡」や「溢れた想い」のほか、「女の武器」でもある「涙」も「水色」のイメージ。
「女の武器を使う(変わらない)、使わない(変わる)」の対比、「泣くな(日本語)→ドントクライ(英語)」の変換、「今に見てろ、勝手すぎる、お前の替え、おいていけ」という「本当の言葉」の連発が「バイリンガール」由来の二面性です。
何より、「振りだしに戻る」との解説つきで、冒頭の「どんな言葉」と「ドントクライ」で韻を踏んでいる言葉遊びが楽しみどころでしょう。
雨と晴れの二刀流だった
出会いは単純 季節変わりの嵐が
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
ジリジリ 身を焦がす恋を呼んで
異なった歯車 噛み合って回りだす
瞬間稲妻 体に走り 心は撃ち抜かれた
1番に出てきた「巻き戻せたなら」や「振りだしに戻る」は2番の前フリにもなっていて、2人の「出会い」から回想する展開です。
「異なった歯車」は「あなたと私」のことですが、「本当の言葉」と「嘘の言葉」などの二面性も「噛み合って回りだす」仕組みで、「普通の言葉」に「言葉遊び」が混ざる度合いが高まっているといえるでしょう。
2番のAメロでは「ジリジリ」というオノマトペ(擬態語)、「瞬間稲妻」という四文字熟語のようにつながった表現が「言葉遊び」に該当します。
無差別行為 恋の散弾銃
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
四方八方 飛んでうまく定まらない
日々の本当の気持ちを 射抜けたなら
無駄な言葉は捨てるよ バイリンガール
「巻き戻し」のような回想では、交際当時に使っていた「嘘の言葉」ではなく「本当の言葉」で語ろうとしているのに、「無駄な言葉」(言葉遊び)を連発してしまい(散弾銃のように四方八方に飛ばす無差別行為になってしまい)、「本当の気持ち」を表現できていない(射抜けていない)ようです。
たしかに四文字熟語がらみの羅列(無差別行為~四方八方)は「言葉遊びが過ぎる」ともいえますが、「本当の言葉」と「無駄な言葉」の二刀流こそ「バイリンガール」の醍醐味でしょう。
この後、1番のサビが繰り返されます。
お互い自称寂しがり屋だったけれど
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
寝返りうった場所にあなたはもういない
数奇な運命に遊ばれても 私は私に嘘をつけない
「あなた」に対して「嘘」をつきがちだった「私」ですが、自分の「本当の気持ち」には「嘘」をつけないと悟りました。
「あなた」と別れた現実を直視し、「寂しがり屋」のつもりでいた自分から変わろうとしています。
「嘘の言葉→無駄な言葉→本当の言葉」の変わり目で、「無駄な言葉=言葉遊び」に翻弄された果てに(数奇な運命に遊ばれても)、「本当の言葉」で話せるようになってきたのでしょう。
水色の恋はシャワーとなり 溢れた想いも排水溝へ消えた
止まらない止まれない 想い忘れ 真新しい私ドントクライ 土砂降りだけど どんくらい晴れ渡るかな
出典:バイリンガール / 作詞・作曲:Tatsuya Maki
どうにか一歩進み お前のお前の前通り越して行く
1番で「泡」になった「水色の恋」は、2番で「シャワー」になりました。
「過去の恋」を「涙→泡→シャワー」と変換して未練を断ち切り、生まれ変わったイメージです。
最大のオチは「ドントクライ(土砂降り)→どんくらい(晴れ渡る)」と韻を踏んでいるところ。
「どうにか」まで「ど」頭(始まり)4連発という怒涛の(止まらない)言葉遊びが展開されていて、「雨と晴れ」の二刀流の「バイリンガール」だったとも解釈できます。
ようやく吐き出せた「本当の言葉」は「お前の替え(おいていけ)→お前の前(通り越して行く)」でしょう。
「無駄な言葉=言葉遊び」のおかげで「前」を向くことができたのかもしれませんね。

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さいごに
「ポラロイド」のくだりを踏まえると、笑い事では済まない可能性も想像できますが、その点は反面教師にするとして、何があってもたくましく生き抜きたいものですね。