Vaundy(バウンディ)さん「benefits」の歌詞の意味を考察します。

benefits 歌詞考察
一夜限りの遊び?
愛とかくだらないの
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
me too
観客も知らない
story
今夜だけじゃ終われないよ
with you
明日の朝も君と2人
曲名の「benefits」は「利益」という意味ですが、いわゆる「セフレ」をあらわすスラング「FWB(Friend With Benefits)」のニュアンスで用いられているでしょう。
語り手の男性と相手の「君」の2人とも、「恋愛は面倒くさいけれども性欲はある」という点で利害が一致していると考えられます。
あるいは「利害が一致していたはずだった」という状況でしょうか。
「観客も知らない物語」というのは、「日本のリスナーにはスラングまで伝わらないだろう」という意味なのかもしれませんし、「歌物語の2人が劇場型の秘められた関係に浸っている」とも解釈できそうです。
いずれにしても、お互いに「一夜限りの遊び」のつもりだったのに、語り手の男性が本気になってしまったのではないでしょうか。
「朝まで一緒にいたい」という感情が芽生えたようです。
不安にしかなれないよ
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
any time
感覚がぐらつく
story
不意に胸が痛むのよ
that hurts
2人を繋ぐのは
そもそも男性は恋愛が面倒くさいタイプで、相手も同じであることがわかっている状況なので、せっかく恋愛感情が芽生えても「ずっと不安がつきまとう」ようです。
お互いに割り切った付き合いだと思っているときは罪悪感を覚えないものかもしれませんが、恋愛感情が芽生えたので「胸が痛む」のでしょう。
夢とか希望じゃないの
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
いえないような
very deep world
更かしてmore
won’t come true
「2人は夢や希望ではなく、人に言えないようなとても深い世界でつながっている」とのことなので、やはりスラングのような関係性なのでしょう。
「もっと夜更かししても願いは叶わない」と続いていて、「割り切った関係のはずだったのに、男性は女性を好きになってしまった」と考えられます。
Hey
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
Throw it away and break it all up
You told me “it’s bad love”
Stay
Until I leave and forget till it ends
I know that you hate it right now
1番のサビです。
和訳すると「ねえ、何もかも捨てて壊して。『これはいけない恋だ』って言ったじゃない。僕が立ち去って忘れるまで、終わるまで、そこにいて。君が嫌がっていることはわかっているけれど」といったニュアンスになるでしょう。
お互いに割り切った関係だと最初に確認したのであれば、相手が複数の人と付き合っていても「他の人とは別れて自分と真剣に交際してほしい」と言い出すのは嫌がられる行為かもしれません。
男性はそこまでわかっていながら、それでも言い出さずにはいられないほど本気になってしまったようです。
残したおかずは捨てられる?
愛情が溢れるよ
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
not good
選択を迫られる
story
このままじゃ足りないよ
sweet time
わがままな2人は
交際相手に「愛情が溢れる」のは一般的には「いいこと」のはずですが、訳ありの関係として始まったので「良くないこと」として受け止めています。
最初の約束どおり、一夜限りで別れたり、割り切った付き合いを続けたりするのか、それとも本気になったと打ち明けてこじれるのかといった「選択を迫られる」展開でしょうか。
「足りない」のは「考える時間」だけでなく、「愛し合う時間」も含まれるようです。
そもそも恋愛は面倒くさいタイプの人が、これほど一気に本気の恋に落ちることがあるのかどうかもよくわかりませんが、似たようなタイミングで相手にも同じことが起きる確率はかなり低いような気がします。
もちろん、最初は「いけない恋」だったけれども、お互いに「愛情が溢れる」ようになったという流れが望ましいわけですが、いったいどうなるでしょうか。
夢にも出てくんだよ
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
見たくないような
very deep world
願ってmore
won’t come true
恋愛が面倒くさいという理由で「深い闇の世界」に迷い込んだはずですが、沸き起こる恋愛感情には抗えず、割り切った関係が悪夢に思えるほどかえって悩ましい状況に陥っています。
「今さら心が通じ合うように願っても、叶わない」とのことなので、やはり「相手も似たようなタイミングで恋愛感情が湧き起こる」という奇跡的な展開にはならなかったようです。
この後、1番のサビ(最後の「right now」なし)が繰り返されます。
英語の部分は、「選択を迫られた」果てに、打ち明けられなかった本音かもしれません。
おそらく一夜限り、あるいは夜だけとの約束だったので、「明日の朝を君と2人で迎える」ことはないのでしょう。
残したおかずを
出典:benefits / 作詞・作曲:Vaundy
捨てるくらい何でもないんだよな
痛いけど
You can be friends
「残したおかず」という表現はさまざまに解釈できそうです。
おそらく艶っぽいニュアンスも連想できる「おかず」という言葉をあえて選んだと思われますが、「朝ご飯を一緒に食べることはない」という意味合いも含まれるでしょう。
もちろん、割り切った関係においては、艶っぽい行為がメインディッシュで、恋愛感情が「残したおかず」に該当します。
このような付き合いの場合、恋愛感情を「残す」ことも「捨てる」ことも簡単にできるはずなのに、「僕」の心は「痛い」とのこと。
英語の部分は「君は友だちになれる」と訳せますが、「FWB(Friend With Benefits)」というスラングを踏まえると、「恋人ではなく友だち」という純粋な話に深い闇のニュアンスが加わるでしょう。
ラストに1番のサビが繰り返されます。
この英語のサビこそが「残したおかず」だったとも考えられそうです。

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さいごに
スラングをおかずのように残したり、捨てたりできれば、もう少しJ-POPらしいラブソングとして解釈できたかもしれません。
しかし、オアシスなどの90年代オルタナティヴロックのようなUKサウンドになっているので、歌詞も大胆な洋楽風に考察しました。 もちろん、痛いですが。