Eveさんの「バウムクーヘンエンド」の歌詞の意味を考察します。
スペースシャワーTV開局30周年記念STATION IDに起用された、メジャー2nd(通算6th)アルバム「Smile」(2020年2月)収録曲。
Eveさんが作詞・作曲した「バウムクーヘンエンド」の歌詞を紐解きましょう。
バウムクーヘンエンド 歌詞考察!
バウムクーヘンエンドとは?
タイトルの「バウムクーヘンエンド」はEveさんではなく、2012年にある女性と友だちが作り、ネットでバズった造語です。
その起源などはピクシブ百科事典でも紹介されています。
ざっくり説明すると「仲のいい2人組のうち、片方が別の人と結婚し、その披露宴でもう1人がスピーチし、引き出物のバウムクーヘンを家に帰って食べるような悲しい結末の物語」のこと。
Eveさんはこの「バウムクーヘンエンド」という言葉に触発されて、物語を膨らませました。
さまざまに解釈できる余白の多い歌詞なので正解はありませんが、1つの仮説として考察していきます。
登場人物は「僕」と「君」、おそらく仲のいい2人なのでしょう。
しかし「僕」は「優柔不断」で告白できず(かいしんの~ない)、「君」にあきれられて付き合えなかったようです。
「僕」は「思い切って告白しなくても、自然と付き合うようになる」ことを「期待」していたのでしょうか。
本当は「きちんと気持ちを伝えなければ、いずれ君は離れていく」という「答え」がわかっていたようです。
しかし「プライド」が邪魔して、自分から「好きだ」とは言えませんでした。
友だちとして親しく関わった思い出すら「残らない」ことに衝撃を受けながらも、「愛想笑い」を繰り返すだけです。
その理由は自己評価が低く、自信がないからでした。
サビの前半です。
もしかしたら「僕」は勇気を振り絞って「君」に「好きだ」と言ったことがあるのかもしれません。
ところが緊張しすぎて声が小さくなり、「君」には聞こえなかったとか、「何て言ったの?」と聞き返されたなどの苦い経験をしたのではないでしょうか。
そのせいで自信がなくなり、失敗を繰り返すことは「プライド」が許さず、どうせ「届かない」気持ちなら「心」に留めておくという流れになった可能性がありそうです。
サビの後半です。
「僕」は「ここで~見た」ことを「思い出した」という展開ですが、なぜ「君」は涙を流していたのか、「その言葉」とは何なのか、誰を「救う」のかについては曖昧です。
病院の屋上で「君」が涙を流すMVから想像を膨らませると、「君が別の誰かと結婚した」という「バウムクーヘンエンド」本来の流れではなく、「病気の君を救ってほしい」と「僕」が願う物語のように受け取れるのではないでしょうか。
僕が君に伝えたい言葉とは?
2番に入っても歌詞だけでは曖昧な表現が続いているので、さまざまな物語を想像することができます。
MVから推察するなら、「僕」は病気を抱える「君」の「痛み」をわかっていなかったことにイライラしている様子です。
「簡単に~できなくなる」可能性があるのは「君」。
「君」が「痛み」に耐えかねて命を落とすことがないように、「僕」はどうにかしなければいけないと感じているのでしょう。
「僕」が「君」に伝えられていないのは、単純に「好きだ」という気持ちだけではないかもしれませんね。
もしかしたらEveさんがリスナーに伝えきれていないと感じているメッセージが含まれている可能性もあります。
「痛み」を感じる「夜」をどうにか乗り越えて朝を迎え、生き続けなければ、「後悔」すらすることができない、という話でしょう。
そこまでわかっていても、やはり「僕」は自信がないせいで「愛想笑い」を繰り返しています。
「変えられない過去」とは告白に失敗したこと、告白できずにいたこと、告白以上の言葉を伝えられずにいたことなどが考えられます。
「僕」は今日まで「君」に何も伝えることができなかったけれど、「明日」になったら自然と気持ちが通じ合うようになるかもしれないと「期待」したいのでしょう。
「君」の命が「終わらない」ように、伝えたい気持ちを「大事にする」と祈っています。
サビの前半が繰り返された後のサビの後半では、「その言葉」の具体的な内容である「キミの~世界に」が加わりました。
これが「僕」が「君」にずっと伝えたかった言葉(かいしんのいちげき)です。
ただ、これだけでは確かに真意が伝わりづらいかもしれません。
「僕」は「過去」に同じことを「君」に言ったけれども、真意を汲み取ってもらえず、失敗に終わった可能性もあります。
おそらく「世界に~」の後に続く(心にしまった)言葉があるとわかりやすいはず。
意訳すると「君が生きている世界に、僕も一緒に生きていきたい」といったニュアンスになるのではないでしょうか。
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さいごに
MVを参考にすると、「僕」はどうにかして「君」の命を救いたいという物語でした。
ただ、言葉足らずなので、なかなか真意が伝わりにくいという悲しい結末「バウムクーヘンエンド」だったかもしれません。
それでもリスナーには「痛みを抱えていても、生きて」というEveさんのメッセージが届いたでしょう。
リスナーの「一歩」もEveさんの「期待」に応える(世界を彩る)ことになりますね。