今回は今大人気のシンガーソングライター・きゃないさんの「紫陽花」という楽曲を考察していこうと思います。
2022年5月11日に5thデジタルシングルとしてリリースされたこの楽曲。
歌詞にはどんな想いが込められているのでしょうか?
きゃないさんのコメントと合わせて見ていきましょう!
楽曲コメント
きゃないさんのコメントをご紹介します。
シンガーソングライターきゃないを表す最も最適な曲があるとすればこの曲以外は有り得ない。 それが「紫陽花」です。 紫陽花の花言葉は「浮気」。 この曲では浮気を肯定し、浮気された側をハッキリと歌詞の中で否定しています。
曲を書く動機は単純でした。浮気をされた側の歌は溢れているけれど、浮気をした側の歌ってあまりないし、あったとしても直接的な表現を誤魔化しているように感じたので、ストレートに浮気を肯定する曲を制作しました。
この曲を書くにあたって、「浮気」についてかなり真剣に考えました。 実はその当時の彼女に僕は浮気をされていました。そして僕が出した結論は「僕が悪いな」という事でした。
「紫陽花」の歌詞の中に「飽きられるような貴方が悪いのよ」という歌詞があります。 最早この言葉の前ではどんな反論も安っぽく見えてしまうほど真理を突いていると僕は思うのです。
極端な視点から見た時、付き合っているなど所詮口約束で、裁判にもならないただの人と人とのじゃれ合いだなと思うのです。 そんな証明が出来ない関係に対して、別れてから他に行け、という反論はただの捨てられた側のエゴだと思いました。
圧倒的事実として、まず飽きられているんです。 きっと自分なりを尽くして恋人と向き合い傷付く事こそ恋愛なのでしょう。弱音を吐いたり、あるいは自分と似たような傷つき方をした周りの人間と、ついでに世間体を味方に「浮気なんて有り得ない」と相手を罵ったりもするでしょう。
しかし、一体そこから何が生まれるんでしょうか?飽きられ、自分より他に魅力がある人がいて、結果としてそっちに向かったその人に対して、飽きられた側が言える事など無いな、と僕は思った訳です。
浮気を許せない人はきっとこの世の中にたくさん溢れている事でしょう。 あえて、そんなあなたにこそ言いたい。 「飽きられるようなあなたが悪いのよ」と。
コメントが小説の一部のようですね。
浮気をテーマにした楽曲。
どんな歌詞なのでしょうか?
早速見ていきましょう!
紫陽花 歌詞考察
きゃないさんが自身を象徴する楽曲だとコメントしている「紫陽花」
楽曲コメントでもありましたが、この曲は浮気をテーマに描かれています。
主人公は浮気をしている女性。
彼女がどんな思いで浮気をしたのかを探りながら歌詞を読み解いて行こうと思います。
冒頭はしとしとと雨が降る街を歩く主人公の姿が歌われます。
大勢の人が傘をさして歩く6月の街。
<陽が照らせば街は紫色 花も咲くよ>
という歌詞の中にはタイトル「紫陽花」の漢字が登場しています。
雨が降って憂鬱な気分になっている主人公ですが「思ったより悪くなかった」と振り返っています。
その理由は <新しい収穫も 腐った実にも気付けたから>
つまり、新しい男も見つけられて、切り捨てるべき男も分かったから。
次々と男を乗り換えている主人公の人物像が浮かんできました。
ここで、主人公の女性の心の内が歌われています。
咲いていた花が枯れたらそこで終わりなのではない、恋は次に移り変わって行くのだ。
<飽きられるようなあなたが悪いのよ>
浮気した側の開き直りにも取れるこの歌詞ですが、きゃないさんがコメントしている通り、付き合うことは所詮口約束でしかないのです。
じゃれ合いのような関係性を、そこまで大事に捉えないで、という主人公の想いが込められています。
現状に満足するのではなく、お互いに自分を磨き続けることが大切なのではないでしょうか?
新しい紫陽花の蕾に水をやりながら、過去の枯れた花(昔の男)を思い出します。
紫陽花の花言葉は「浮気」
おそらく主人公は紫陽花から紫陽花へと移り変わって来たのでしょう。
続いて、浮気され捨てられた男について歌われます。
浮気された側の男は、被害者として落ち込んでいることでしょう。
しかし、主人公からすれば「飽きられるあなたが悪い」
<夏を知らずに死んだ桜>という歌詞に注目しましょう。
桜の花言葉は「純潔」
その男は素直なで真面目な人だったのでしょう、もしかすると、付き合うのが初めてだったのかもしれません。
そんな従順な彼を、夏を知らず6月の雨で散ってしまった桜に喩えています。
浮気はするほうが悪いと考える人にとって、主人公の女は極悪非道な悪女に見えますね。
順調に育った次の紫陽花に水をやりながら、再び過去を振り返る主人公。
何人の男を捨ててきたのかはわかりませんが、誰と付き合っても飽きてしまい、長く続かない主人公の恋愛模様がわかりますね。
<いっそこのまま飛び降りたら そこから何か始まるかな>
今までの過去を綺麗サッパリ忘れ去って生まれ変われば、自分の続かない恋愛も変わるのだろうか?
たくさんの男をとっかえひっかえしてきた主人公も、自分の続かない恋愛に悩んでいたことがわかります。
<無色透明な世界を全て 紫で濁したい>
6月の雨に打たれて洗い流された世界を紫で濁したい。
この紫という色ですが、紫陽花の代表的な色という意味の他に、男女の色、赤と青を混ぜた色であることも関係しています。
何故自分は恋愛を続けられないんだ、この世界の恋愛観をぐしゃぐしゃにしてやりたい、という主人公の黒い願いが歌われているように感じました。
主人公は付き合う男を紫陽花の花に喩えて、育て捨ててきました。
しかし、実は自分自身が水をやっても光を浴びても何も感じない枯れた花だった。
軽い恋愛を繰り返してきた主人公の心は枯れており、本気で恋愛に向き合うことはできません。
自業自得ですが、枯れた花を次々捨てていた主人公が、実は一番枯れた花だったというストーリーには考えさせられますね。
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さいごに
いかがでしたか?
浮気の被害者側を歌う曲が多い中で、あえて浮気した側の気持ちにスポットを当てたこの楽曲。
花言葉や色を使って主人公の気持ちを表した作詞センスに驚愕しました。
これからの活躍からも目が離せません!