2015年5月27日に発売されたシングル「SISTER」に収録されている「泡と羊」について考察していきます!
若者の繊細な心情を的確に捉え、飾らない言葉で真っすぐに伝えてくれることに定評があるback numberさん。
今回の「泡と羊」はうまくいかない日々、冴えない自分を自覚しながらも、決して諦めたり投げやりになったりしない主人公のお話です。
と、それだけ言うととても強いハートの持ち主のように思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
折れそうになったり、悩んだりしながらも懸命に日々に向き合う姿が描かれています。
そして、なぜ諦めずに立ち向かっていけるかという疑問に対して、最後のフレーズで答えが明らかになります。
では、歌詞の考察を始めていきましょう!

泡と羊 歌詞考察
うまくいかない日々の中でも
なんでアラームが鳴らないんだ
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
止めた覚えも聴いた覚えも
いや考えてる暇はない
また朝飯抜きだよなぁ もう
アラームを設定したはずなのに目覚ましが鳴らなかった!
そんな経験、誰もが一度はあるのではないでしょうか?
アラームを設定できていなかったのか、それとも自分が寝ぼけながらアラームを止めたのか、それとも気付かなかっただけなのか…
真相は明らかにする前に、誰もが次に思うことは
「いや考えてる暇はない」
これですよね!
まるで自分のことをどこかで見ていたのかと思うほどです。
「また朝飯抜きだよなぁ もう」
【また】がついているあたり、常習犯であることが分かります。
こんな毎日に、こんな自分にウンザリしているようです。
脈なしのユキちゃんに無視されても
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
懲りずに格好付けて
足つってワーッて転んで何してんだろう
もう頭洗って出直すもんね
「脈なしのユキちゃんに無視されても 懲りずに格好付けて」
脈なしの女の子と言わずに、ユキちゃんと言うことでなぜか親近感が湧きますね。
back numberさんの曲は思わず共感してしまう歌詞が多いですが、それはこういった部分的なところからも感じられます。
「足つってワーッて転んで何してんだろう もう頭洗って出直すもんね」
何をやっても上手くいかない時ってまさにこういう時を言うのではないでしょうか。
投げやりになる思いも抱えながら、それでも何とか自分の気持ちに折り合いをつけようとしているようです。
学生、社会人、それ以外の方でも社会に揉まれながら生きる人にとっては日常茶飯事とも言えるシーンが、歌になることで何だかジーンと来ますね。
生まれ変わっていくんだ何度も
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
平均27点の毎日でも
それは言い過ぎだったもう少し高いかも
このままでいいなんて思ってないよ
「生まれ変わっていくんだ何度も」
他人から見て何も変わっていなくても、自分にとっては変化したと感じられるならそれは大商問わず生まれ変わったと言えるのではないでしょうか。
ここで言う「生まれ変わっていくんだ何度も」は小さな変化であったとしても、少しずつ変わっていけるんだという前向きな姿勢の表れだと思います。
最終行の「このままでいいなんて思ってないよ」がまさにその証拠です。
くじけそうになる時はいつでも
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
思い切ってくじけてみているよ
ダメなまんまの僕だって
うまく抱きしめられたら
「くじけそうになる時はいつでも 思い切ってくじけてみているよ」
back numberさんらしい優しくて、大胆なフレーズです。
無理して明るく振る舞おうとするより、どうせ落ちるなら落ちるところまで落ちよう。
そうすることで心に負担をかけず、また前向きになれるからというメッセージのように感じます。
「ダメなまんまの僕だって うまく抱きしめられたら」
どんな自分も自分は自分。
目標が高いことは素晴らしいことですが、ありのままの自分を受け入れることの方がもっと素晴らしいことですもんね。
何もない自分を好きになれない
なんで僕は何もないんだ
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
秀でる才能も切れる頭も
せめて努力し続ける
強い理由でもあればなぁ そう
「なんで僕は何もないんだ 秀でる才能も切れる頭も」
世の中には才能としか言いようのない能力を発揮する人がいます。
そんな風になれたらどんなに良いか、考えずにはいられませんよね。
自分には何もないと嘆く一方で、
「せめて努力し続ける 強い理由でもあればなぁ」
と何とか活路を見出そうとしています。
歌詞の至るところから主人公から天才のオーラは感じませんが、どんな時でも諦めない強さが伝わってきますよね。
それも圧倒的な強さではなく、しぶとく食らいついていくような粘り強さ。
こういう部分にこそ共感できますし、何より背中を押されます。
踏んだり蹴ったり噛み付かれたり
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
こんな日が続いても
週末ダラーッと眠って忘れちゃって
また頭洗って出直すもんね
ここでも主人公のしぶとさが発揮されます。
「週末ダラーッと眠って忘れちゃって また頭洗って出直すもんね」
週末思い切って眠って、という言い方ではなくダラーッと眠ってというところがまたなんとも憎めない表現です。
この曲は全体的に前を向くことへのハードルが低いというか、できない人に寛容な歌詞なんですよね。
これなら自分にもできる!という気持ちにさせてくれます。
生まれ変わっていくんだ何度も
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
平均84点の毎日なら
もっと自分を好きになれるのかい
なぜか急にモテたりしないかなぁ
一番のサビでは「平均27点」でしたが、今回は「平均84点」。
「もっと自分を好きになれるのかい」の一文から汲み取れるのは、今の低い点数の自分を好きになれない自分がいるということです。
自分の分からない世界、見えない景色に憧れている様子が伝わってきます。
「なぜか急にモテたりしないかなぁ」はいきなりすっとんきょうなフレーズが出てきたような印象を受けますが、この一文が入っているだけでサビの歌詞の雰囲気がいい意味で軽くなっています。
あまり重く受け取られないようにしようという意図があるようですね。
空気を読んだつもりが
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
これじゃ僕が空気だよな
もっと爽やかに変わりたい
誰も彼も笑顔に出来ちゃうような
「空気を読んだつもりが これじゃ僕が空気だよな」
良かれと思ってやったはずが、自分の思い描く形にならないことはよくあります。
自分以外の人、全員にとって良い結果でも自分にとってそれが望ましい形でなければモヤモヤとした気持ちが残ってしまいます。
そんな心情を表した秀逸な表現だと思います。
「誰も彼も笑顔に出来ちゃうような」から、誰かの幸せを願う心の持ち主であることが分かります。
誰かを幸せにしつつ、自分も幸せになりたい。
きれいごとだけではなく、ありのままの気持ちが描かれているからこそ、この主人公に、そしてこの曲に惹かれるのかもしれません。
良い時も悪い時も全てひっくるめて自分なんだ。
生まれ変わっていくんだ何度も
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
平均53点の毎日でも
もう分かんなくなってきた
日によっても違うけど
このままでいいなんて思ってないよ
最後に「平均53点」と一番サビと二番サビの間の点数が出てきました。
「もう分かんなくなってきた」
毎日が53点なら良いも悪いもありません。
しかし、昨日が80点で今日が20点だったなら同じ平均50点台でも良い悪いが明確です。
「日によっても違うけど」
つまり、毎日同じ点数ではないということですね。
少しずつでも高い位置で安定させられるように頑張っていこうという気持ちが
「このままでいいなんて思ってないよ」から感じ取れますね。
くじけそうになる時はいつでも
出典:泡と羊 / 作詞・作曲:清水依与吏
思い切ってくじけてみているよ
今のまんまの僕だって
愛おしく思えたなら
最後のこの4行のフレーズがこの曲の肝だと思います。
くじけそうな時は、思いっきりくじければいい。
無理に前を向く必要なんてない。
それと同時に、くじけている自分を責める必要もない。
良い時も悪い時も全てひっくるめて自分という人間なんだと受け止めればいい。
そんなメッセージのように感じます。
励まし方にも色んな方法がありますが、この曲はそっと寄り添ってくれた後、優しく背中を押してくれるような優しい励ましですよね。

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さいごに
圧倒的なカリスマ性、スーパーマンのような絶対的存在が主人公ではないからこそ、曲を聴いていても共感できますよね。
と同時に、自分と同じような心境になりながらも挫けない主人公の姿に励まされますよね。
自分も同じように頑張ってみよう。
そんな気持ちになりませんか?
良い日もあれば悪い日もある。
そんな考え方を頭の片隅にでも置いて、この曲をプレイリストの中に入れておけば、今後何があっても気持ちが少し楽になるかもしれませんね。