Mrs. GREEN APPLE(略称:ミセス、MGA)の「Attitude」(読み方:アティテュード)は、2019年10月にリリースされた4thアルバムのタイトル曲。
ボーカル&ギターの大森元貴さんが作詞・作曲・編曲しました。
「態度、姿勢、心持ち、心構え」という意味で、Mrs. GREEN APPLEの音楽に対する向き合い方を表しているそうです。
そんな「Attitude」の歌詞の意味を考察します。

Attitude 歌詞考察
アルバム全体の説明書

Mrs. GREEN APPLEがアルバム名と同じ楽曲を作ったのは「Attitude」が初めてです。
表題曲の「Attitude」はアルバム全体を引っ張るリード曲という位置付けではなく、アルバム全体を説明する役割を果たしています。
全17曲中「インフェルノ」などの大ヒットシングルが4曲も入ったアルバム。
新しくファンになった人に向けて、「わがままとも思えるほど多様な音楽性」について説明する必要があったそうです。

アルバムを最後まで聴いてほしい、Mrs. GREEN APPLEというバンドが続く限り「ポップ(大衆性)と毒気を融合させた多様な音楽」を届けたい、と願っています。
しかしアルバムに100曲を収録するのは「あ、無理」だったのかもしれません。
それでも17曲という破格のボリュームです。
音楽性という本質について語りながら、ユーモラスな言葉遊びを混ぜるなど、早くもわがままぶりを発揮していると言えるでしょう。

明るくポップなサウンドに、暗く弱った人に寄り添う歌詞を乗せるところだけでも刺さってほしい、という楽曲の解説であり、実践です。
本来は見せたくない手の内なのに、かえってストレートな表現になっています。
照れ隠しもあるのでしょう。

1番のサビでは、詞先(作詞が先、作曲が後)ではなく、曲先(作曲が先、作詞が後)という「音楽の作り方」まで明かしています。
「愛のある歌詞」になるように、「あこがれの対象」を信じて希望を抱くのが大森元貴さんの「音楽と向き合う姿勢」(アティテュード)です。
「人の心をつかみやすい主旋律」(ポップなサウンド)にまぎれているのが「偶像」(歌詞)。
崇拝やあこがれの対象、アイドルといった意味があります。
作詞する際の信条として「アイドルみたいなあこがれの対象」になりきる、という話のようです。
生きにくい世の中でも貫く姿勢

2番はこれまでに示されたアティテュードの本格的な実践です。
大森元貴さん個人の自我を眠らせ、歌詞の主人公になりきろうとしています。
「愛のある歌詞」ということで、悩み多きリスナーが不安から解放されて安眠できますように、という願いも込められているでしょう。
なりきろうとしている「アイドルみたいなあこがれの対象」は「白馬に乗った王子様っぽい人」。
大森元貴さん自身とはかけ離れていますが、歌詞の主人公としてはふさわしいようです。

「白馬に乗った王子様っぽい人」は「どうしようもない世の中ではない」とぎりぎりポジティブな信条を吐露します。
「あこがれの対象」になりきって、悲観的な状態なのに前を向くだけでも、音楽家としてのやりがいを見出せるのでしょう。

大森元貴さん自身は生きにくい世の中で心をすり減らすこともあるようですが、それでも「未来を信じて、前向きに進む」のが貫いている姿勢(アティテュード)です。
少し真剣になりすぎたので「アーティスト中毒」と韻を踏み、語感で言葉遊びするところまで姿勢に含まれます。
「偶像」の「アイドル、崇拝する」という意味を、「アーティスト中毒」まで引っ張ったのも毒気が効いているでしょう。
ファンの人に崇拝してほしいのか、崇拝しすぎないように自分も含めて戒めているのか、複数のニュアンスがありそうです。
ようやく「偶像」から解放されたところで、すぐさま「心臓」が登場します。
こうして生み出されている楽曲は、まさに大森元貴さん自身の子どもであり「心臓」そのもの。
この後につづく3番は「ハート」がモチーフという伏線にもなっています。
ナンセンスな言葉遊びの意味

2番の夢から覚め、「あこがれの対象」から解放された主人公が、3番では前フリどおり愛や本音(ハート)について語ります。
こうした毒気を含んだ歌詞や、語感(リズム)重視の韻(ライム)まで届けたいというのは、大森元貴さん自身のわがまま(エゴイズム)であり本音。
その後「平和主義、自由主義、悲観主義、人文主義」を意味する、ほとんどナンセンス(無意味)な言葉遊びが続きます。
2番の「あこがれの対象」の信条に当てはまる内容ですが、これほど続くとほぼ語感のみ。
ふざけすぎた主人公は、はぐれた「あこがれの対象」を追いかけます。

「あこがれの対象」としての役目を果たし、「偶像、心臓」の後に続くのが「遺書」です。
最後に究極の毒気が投下されました。
結果的に「Attitude」が活動休止(2020年7月)までの最後のオリジナルアルバムとなったことを振り返ると、「フェーズ1の遺書」なのかもしれません。
ぎりぎりポジティブに解釈すると、どの楽曲もいつ亡くなっても後悔しないほど全力を注いでいると考えられます。
冒頭の歌詞の伏線回収にもなっているので、引き続きループしてみましょう。

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さいごに
「Attitude」のMVには、最後に出てくるQRコードを読み取ると、大森元貴さん直筆の「Attitude」の歌詞が表示されるという仕掛けがあります。
アルバム「Attitude」と併せて、お楽しみください。