今回は2月20日にリリースされるAdoさんの新曲「アタシは問題作」の歌詞を考察していきたいと思います。
前作「行方知れず」から、4ヶ月ぶりのリリースとなる今回の楽曲は「転生林檎」などで有名なピノキオピーさんが作詞、作曲を担当しています。
Adoさんは、昨年5月に行ったTwitter企画「Adoに歌って欲しい曲」で「神っぽいな」の歌唱動画をYouTubeに投稿し、再生回数2000万回を超え話題となりました。
ファンが待ち望んでいた最強タッグが、どんな楽曲を生み出してくれたのか楽しみです！
アタシは問題作 歌詞考察
アタシは問題作？ アタシは問題作？
アタシは問題作？ そうでもないよ…
曲のタイトルでもある「アタシは問題作」
冒頭から小さな声で繰り返されています。
このことから主人公自身、自分に自信が持てず、問題を抱えている事がわかります。
問題作？という不安の声を掻き消すような “そうでもないよ…” には、どんな想いが込められているのでしょうか？
続きを見ていきましょう！
ちょ 待ってよ なんで？ 過大評価です
本音言えず 胸焼けしてる
平凡に生きて 平凡にミステイク
愛しあうって 素敵ですねスポットライトが暴いた その陰と
臆病ゆえに 笑う 防衛本能
チラ見で語る 評論
好き勝手 言いやがって
でも ありがとうございます…！
“ちょ 待ってよ なんで？ 過大評価です”
自分の想定外の評価をされてしまい、戸惑っている主人公の様子が浮かんできます。
ハードルが高くなることで周囲の目が気になり、窮屈な思いをしていることが分かります。
続く “平凡に生きて 平凡にミステイク 愛しあうって 素敵ですね” という歌詞は、主人公の考える理想の人生を表しているのではないでしょうか？
過大評価を受け、スポットライトが当たったことで生まれる陰。
自分を表現することに悩む背景としての、周囲からの評価や批判に対する不安や恐怖が歌われているように感じました。
“チラ見で語る 評論 好き勝手 言いやがって” と他人からの評価、意見に反発しているようで、”でも ありがとうございます…！” という感謝の気持ちが入り混じっている複雑な状態ですね。
わぁ
アタシは問題作？ アタシは問題作？
え、ほんと？ え、ほんと？ その勘違い 最高 (HEY！)
「アンタちょっと問題がある。」「アンタちょっと問題がある。」
ウケんね ウケんね ピュアすぎじゃん キュート (HEY！)
望まぬナイフ 握ってただけ
But だんだん オキニで変な気分だぜ (Oh)
アタシは問題作？ アタシは問題作？
効いてきた 泣けてきた
普通に弱くてごめん…
注目を集めることで、マイナスな意見に対し臆病になってしまう主人公の様子が歌われています。
“ちょっと” の問題を指摘されると、ピュアなハートが傷ついてしまう。
“ウケんね ウケんね ピュアすぎじゃん キュート” という歌詞から、そんな自分の感情をどこか客観視している様子も浮かんできますね。
自己防衛のために “望まぬナイフ 握ってただけ”。
最初は仕方なく握っていたナイフも、だんだんとオキニになってきた。
周囲からのマイナスな意見に徐々に慣れてしまっている様子が浮かびました。
しかし、慣れてきたとはいえ、何千、何万のマイナスなコメントは、自分の心を蝕んでいきます。
“効いてきた 泣けてきた 普通に弱くてごめん…”
主人公の心は、病んでしまったのではないでしょうか？
えーん えーん みんな怒んないで
えーん えーん 一回 お茶飲め
握手しようぜ！
いや 調子のってないです…
超理不尽な覚えゲーか？ メンタルブレイカー
そんな修羅場は嫌だ
降参しない まだ
ベタにあったかい言葉で救われちゃうからバッドエンドだらけの三千世界で
仮想現実でも綱渡りです
笑止千万のV.I.P.
あ、ええと 誰だっけ？
いつもお世話になってます…！
“えーん えーん みんな怒んないで えーん えーん 一回 お茶飲め”
心がすり減ってしまった主人公の現実逃避が歌われているのではないでしょうか？
“握手しようぜ！” とキャラ変してみるも、すぐに “いや 調子のってないです…” とビクビクしている主人公からは、若干のオタクっぽさが感じ取れますね。
マイナス意見、アンチコメントが飛び交う修羅場は嫌。
でもそんな世界の中でも “ベタにあったかい言葉” をくれる人たちがいて、”救われちゃうから” “降参しない”。
ここまでの歌詞を見ると、この曲の主人公にはAdoさん自身が投影されていそうですね。
「うっせえわ」で高校生シンガーとして華々しいデビューを飾り、一気に有名人になったAdoさん。
明るいスポットライトの裏で、アンチコメントにも悩まされてきたのではないでしょうか？
“バッドエンドだらけの三千世界で 仮想現実でも綱渡りです”
弱肉強食の芸能界、アーティストの世界で、顔出しせずに活躍しているAdoさん。
“あ、ええと 誰だっけ？ いつもお世話になってます…！”
このセリフは活動の中で出会うお偉いさんへの言葉でしょうか？
主人公の子供っぽい一面が読み取れますね。
わぁ
また やっちゃった
アタシは問題作？ アタシは問題作？
善でしょ 悪でしょ その先入観 最高 (HEY！)
「さよなら、もうバイバイ。」「さよなら、もうバイバイ。」
そうですか そうですか しゃあない十人十色 (HEY！)
八方塞がり 針のむしろだって
住めば都になってきたぜ (Oh)
アタシは問題作？ アタシは問題作？
あーでもない こーでもない
予防線を張ってごめん…
“善でしょ 悪でしょ その先入観 最高 (HEY！)”
主人公をAdoさんと置き換えて見ると、この歌詞はAdoさんの曲に対する意見を指しているように思います。
どんなにいい曲でもAdoさんが歌うんだったら聴かない、と先入観で拒否る人もいるのでしょう。
また、最初はファンだったとしても、曲を出していくに連れ、「変わってしまった」「前のほうが良かった」など勝手な理由をつけ “「さよなら、もうバイバイ。」” と離れていってしまう人もいます。
“そうですか そうですか しゃあない十人十色” という歌詞から、そんな人もいるよね、と受け流している様子が浮かびますね。
どんなにつらい状況でも、慣れてしまえばなんてことはない。
そんな想いが “八方塞がり 針のむしろだって 住めば都になってきたぜ (Oh)” に込められているような気がします。
別に良い奴ってわけじゃないけど
君が思うより そんなに最悪な奴じゃない
たぶん
主人公が周囲の人達に対して呼びかけています。
良い奴ってわけでもないけど、そんな悪くもないよ、多分。
自分自身に言い聞かせて、確かめているようにも聴こえますね。
現実世界でも、SNSなどネットの世界でも多くの人の目に触れながら生きている現代人は、周りの人の目を気にして、自分の想い、感情を押し殺してしまいがちです。
そんな人々に対して「自分自身を肯定することの大切さ」を伝えているのではないでしょうか？
作詞を担当しているピノキオピーさんの想いが特に込められている部分のような気がしました。
アタシは問題作？ アタシは問題作？
アタシは問題作？ アタシは問題作？
はいオッケー はいオッケー 想定通り…じゃないです！
望まぬナイフ 握ってただけ
But だんだん オキニで変な気分だぜ (Oh)
アタシは問題作？ アタシは問題作？
効いてきた 泣けてきた
普通に弱くてごめん…
期待に添えずサーセンアタシは問題作？ アタシは問題作？
アタシは問題作？ あんたはどうだい？
前半の歌詞と同じく、周囲からの評価や意見に対する反発や防衛本能が描かれています。
“期待に添えずサーセン” からは、申し訳無さの他に、「なんでアンタらの期待に添わなきゃならんのだ」という反抗心も見えますね。
“アタシは問題作？ アタシは問題作？ アタシは問題作？ あんたはどうだい？”
曲のラストでは、聴いている「あなた」に対して呼びかけています。
自己評価や周囲との関係、現代社会を生きる多くの人々が抱える悩みに対し、自分自身を受け入れることの大切さや、自己肯定感を持つことの重要性を投げかけているように感じます。
社会現象を引き起こし、何倍ものスポットライトを浴びたAdoさんが歌ってくれるからこそ、心に響く素敵な楽曲ですね。
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さいごに
いかがでしたか？
Adoさんとピノキオピーさんというファン待望のタッグ。
自分自身に問いかけることの大切さや、周囲からの評価に悩む人々に向けた応援の想いが込められた楽曲でした！
