あいみょんの2thアルバム『瞬間的シックスセンス』に収録された『あした世界が終わるとしても』の歌詞を考察します!
櫻木優平監督・映画『あした世界が終わるとしても』の主題歌にも起用された心温まるハートフルソングになっています。実は挿入歌にはあいみょんの『ら、のはなし』が起用されています。
「日本公民共和国」というもうひとつのパラレルワールドを舞台にした壮大な世界観の本映画。
そのなかで物語られる「大切な人を守り抜きたい」というメッセージをあいみょんは楽曲にしました。実際にあいみょんは本楽曲のテーマを「命を賭して守りたいもの」だと述べています。
男性視点のラブソングが胸に響く『あした世界が終わるとしても』を早速見ていきましょう!
『あした世界が終わるとしても』歌詞考察
守りたいものを知った瞬間
冒頭2行は曇りがかった声でスタート。”知ったのです”から突然はっきりとしたあいみょんの声が響きます。
まるで今まで押し込んでいた気持ちが現れた「僕」の心を表現しているようなアレンジ。
”今日も生きている”だけで精一杯だった「僕」が、”僕の守り方”を知った時から世界が明瞭になっていく様子が感じられます。
定まらない感情の行く先
自分の感情の解析はなかなか難しいもの。”いつまで経っても定まらない”経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか?
揺らぐ感情を落ち着かせ大切な存在を守り抜こうとするのは勇気のいることです。
”いつかは消えてしまう”とはどこか儚げでありながら、時間の有限性を伝える強い言葉。実にあいみょんらしい言葉だと思います。
映画『あした世界が終わるとしても』の主人公・真(しん)は、孤独を抱いている内気な青年。
そしてヒロインの琴莉(ことり)に密かな恋心を描いています。
そんな真の葛藤を表現した歌詞とも言えるでしょう。
大人になっていく瞬間
同名映画の監督・櫻木優平は「子どもから大人になるまでのプロセスの大切さ」を映画の中に込めました。その意図をあいみょんが汲んだ歌詞とも言えるべき重要な箇所です。
本映画は「日本公民共和国」というもう一つの国も舞台になっており、そこで悲劇的な事態に遭遇する場面もあります。
そうした絶望の中で己の弱さを知り、強くなりたいと望みます。
本当の意味で大人になっていく瞬間を緻密に描いた歌詞です。
君だけは守れるように
弱さを自覚し、いまだ強さを手に入れることができない主人公。
しかしそれでも「君を守りたい」という気持ちが凌ぎ、「僕」は「君」へ会いに行きます。
「鳥」は飛べるのが特徴ですが、ここでは”まだ飛べない”と綴られていますね。勇気や覚悟が少し足りないのを自覚しているのかもしれませんが、せめてでも”君だけは守れるように”と願っています。
儚さと暗さと優しい愛情詰まったメロディラインも印象的なサビです。
憂鬱な世界にはもう飽きた
あいみょんならではの憂鬱な描写あ光る2番の冒頭。
晴れているにも関わらず心がどんよりしている感覚が蘇るような文学的なセンテンスです。
”悲しい物語”とは映画上の辛い現実のことでしょうか。それともバッドエンドで人を泣かせるような数々の音楽や文学等の文化を指しているのかもしれません。
辛い現実を生きているからこそ、芯から温まる優しい物語を求めたい。
そんな気持ちがストレートに歌われています。
「君」への覚悟
2番サビに入り、「僕」の気持ちは強さを帯びるようになります。
”もう隠せない何か”とは今まで抱いていた弱さはもちろん、「怖くても君を守りたい」という覚悟だと思われます。
”最悪でも、僕だけはここにいるから”
1番の”君だけは守る”を超えて、ちょっとずつ「君」へ現実的に寄り添っているように思えますね。
何もできない自分だけれども、それなりに一生懸命「君」を守り抜こうとする強さが窺えます。
「君」と「僕」どちらが先にいなくなっても
大切な存在を失ってしまったら、命を懸けている分だけ相当な喪失感を抱くことになります。
しかしこの楽曲のテーマは「命を賭して守りたいもの」。失う痛みを引き受けてでも「君」を守りたいという強い気持ちがここでガツンと歌われているわけです。
もし「君」が辛いならば、その居場所を作ってあげよう。
もし「君」より先に「僕」がいなくなってしまうということは、「君」の強さを証することになる。
どちらが先に居なくなっても、「君」が必ずちゃんと守られる場所を作っておきたい。
自分の大切な人を思い浮かべて聴いてみると、心に迫るものがある感慨深い歌詞ですね。
最初には無かった覚悟
あいみょんの弾き語り形式になる静寂に包まれた箇所。
「僕」が一人、静かに決意をするような聖なる雰囲気が醸し出されています。
最初にはなかった覚悟がしんしんと伝わってくるような静謐に包まれており、あいみょんの歌声がより染みている箇所です。
本当の強さとは
ラストサビ。「僕」の固い誓いを含んだようなメロディと力強い歌声が響きます。
”最悪でも、僕だけはここにいるから”
自分の弱さを認めつつも、「君」へ命を懸けている様子がひしひしと伝わってきますね。
本当の強さとは、弱さと対峙した時に手に入れられるものなのだと実感できます。
君の側にいると決めました
”そして君の側にいると決めました”
冒頭とは異なるこのフレーズ。はじめは自分の守り方しか知らなかった「僕」が強さを手に入れて「君」を守ろうと覚悟を決めたラストです。
あいみょんの言う「強さ」とは、単に「力がある」とか「自信がある」といったことではありません。
自分の弱さを認め、受容し、それでも相手に自己を差し出そうとするささやかな勇気といった具合でしょうか。リスナーの微細な感覚に優しく寄り添った「強さ」なのだと感じます。
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おわりに
いかがでしたか?
映画の内容に沿って書かれた楽曲ですが、私たちが日常で忘れかけていたことを思い出させてくれるような親近感のある楽曲だと個人的に思いました。
あいみょんの今後の活躍にも注目です!