今回は7月31日に全国初オンエアとなるOfficial髭男dismの新曲「アポトーシス」の歌詞を考察していこうと思います。
8月18日に発売されるメジャー2ndアルバム『Editorial』のリードトラックとして収録されている本楽曲は、メイン・コンポーサーである藤原 聡さん(Vo/Pf)が書き下ろした曲です。
この記事では、新アルバムの情報も合わせてご紹介していきます。
2ndアルバム『Editorial(エディトリアル)』
1stアルバム『Traveler』以来、約1年10ヶ月ぶりとなるフルアルバム。
TBS系火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』主題歌の「I LOVE…」、現在放送中のTVアニメ『東京リベンジャーズ』オープニング主題歌「Cry Baby」などのシングル曲のほか、Vo.藤原以外のメンバーが作詞作曲を担当した楽曲を含む、8つの新曲が収録されています。

アポトーシス 歌詞考察
近づく死への恐怖

タイトルの「アポトーシス」とは、細胞がその役目を終え不要になると、自ら死んでいく(自殺する)現象です。
細胞によって構成されている組織をより良い状態にするため、細胞そのものに組み込まれているプログラムです。
この曲は、天珠を全うし老衰死を迎えようとしている女性を主人公とし、旦那さんへのメッセージを歌っているように聞こえるので、寿命でなくなることを自ら壊れていくアポトーシスに喩えて表現しているのではないでしょうか?
「訪れるべき時」というのは死を表しています。
死について強く意識するようになった老夫婦は、「素敵になった」と表現していることから、幸せな人生を歩んできたことが読み取れます。
誰の身にも必ず訪れる死。
パートナーの死が近いことを実感し怯えている旦那さんを安心させるように呼びかけます。

いつかやってくるさよならの時。
枯れて地面に落ちた葉も、短い一生を懸命に生き地面に転がるセミも、みんな同じ世界を同じように生きていました。
寿命を終え、地面に落ちたセミを「空と向き合う」と表現する藤原さんの作詞センスが光っていますね。

鳴り続ける鐘とは「弔鐘」のことでしょうか?
「弔鐘」とは死者を悼んで鳴らされる鐘で、墓地への納骨のときに鳴らされる教会の鐘です。
自らの死をイメージさせる墓地の方から響いてくる鐘の音は、主人公を不安にし、焦らせます。
近づいてくる別れのときから逃れるように、静かな街の中を未来に向かって走る二人の姿が浮かびますね。
「鼓動を強めて」「ひた走る」という歌詞から懸命に死までの期間を引き延ばして、少しでも長く一緒にいたいという二人の愛が伝わってきますね。
幸せな日々を振り返る主人公

歳を取ると何もしていないのに節々が痛みだす体。
ロウソクの数に反比例して食べる量は減っていきます。
毎年誕生日を祝っている二人が過ごしてきた幸せな日々が歌われています。
いつかはこの幸せな日々も終わってしまうのだと考えると、誰かに助けを求めたくなりますね。

街の校舎や駅が、だんだんと古びていくように、私達の体も歳を取るにつれて古くなっていきます。
別れが近いことを感じた主人公は、街の風景と自分を重ね合わせ死は誰にでも訪れるものだと、自分を納得させようとしていますが、あなたとの幸せが終わってしまうことを受け入れられないようです。

過去の楽しかった思い出をふと思い出し、もう戻れないのだとやるせない気持ちになっている主人公。
寝付けない夜は明かりの消えたリビングに行ってコップ一杯の水を飲み干します。
「水滴のついた命」は、幸せな日常がもうすぐ終わってしまうという悲しさからこぼれてくる涙なのかもしれません。
「解説もないまま次のページをめくる」という歌詞は、息をつく暇もなくどんどん進んでいく時間に戸惑っている様子を表しているのだと思います。
ついにやってきた別れの時

鐘の音が響く街の中で、あなたを抱き寄せる主人公。
間もなくやってくる死を自覚し、近づいてきたあなたとの別れの時まで、一瞬たりとも愛しそびれないようにと自分に言い聞かせています。
主人公にとってあなたという存在がいかに大きなものかが伝わってきますね。

後に残される旦那さんの心配をする主人公は、朝が近づいてからようやく眠りにつきます。
この部分の歌詞は、死が近づいてきて眠れなかった夜が続き、その時が来たことによってようやく安らかな眠りにつけるという意味にも取れますね。
二人の愛が伝わってくる素敵な一曲でした。

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さいごに
いかがでしたか?
人生の最後を細胞の消滅と重ね合わせたこの楽曲。
聴いているだけで涙が出そうな感動の一曲でしたね。