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あの夏が飽和する。【カンザキイオリ】歌詞の意味を考察! 『夏が飽和する』とは一体どういう意味か?

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2018年8月2日にリリースされたカンザキイオリさんの「あの夏が飽和する。」について考察していきます!

動画の視聴回数1億回以上というモンスターヒットを記録した「命に嫌われている」と並んで、カンザキイオリさんの代表曲とされるこの曲。

歌詞がストーリー仕立てとなっているので、世界観にどっぷり浸ることができます。

また、ストーリー自体が非常によくできていることや、カンザキイオリさん自身がこの曲に強い思い入れがあることからカンザキイオリさん自身の手で小説化されています。

まさに話題性抜群の曲です。

では、歌詞の考察を始めていきましょう!

あの夏が飽和する。 歌詞考察

闇を抱える二人の旅

「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた
梅雨時ずぶ濡れのまんま部屋の前で泣いていた
夏が始まったばかりというのに
君はひどく震えていた
そんな話で始まるあの夏の日の記憶だ

物語はいきなり「昨日人を殺したんだ」という告白から始まります。

「夏が始まったばかりというのに」から季節は初夏であることが分かります。

夏という爽やかで、子供にとっては夏休みというわくわくするイベントがある魅力的な季節であるはずが既に暗い影を落としています。

この爽やかさと暗い影のコントラストは編曲も相まって、不思議な安心感を与えてくれています。

「殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ」
「もう嫌になって肩を突き飛ばして」
「打ち所が悪かったんだ」
「もうここには居られないと思うしどっか遠いとこで死んでくるよ」
そんな君に僕は言った

「それじゃ僕も連れてって」

ここの歌詞のほとんどの部分は対話形式での言葉によって成り立っています。

「殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ」の出だしの部分で「君」の限度を越えた憎しみから人を殺めてしまったのかと思いきや、

「もう嫌になって肩を突き飛ばして」「打ち所が悪かったんだ」から勢いでやってしまったこと、更に「もうここには居られないと思うしどっか遠いとこで死んでくるよ」から後悔か諦めのような感情が伝わってきます。

決して『やってやった』という気持ちではなかったようですね。

最期の別れとも言える言葉に対して、「僕」は衝撃の言葉を返します。

「それじゃ僕も連れてって」

「僕」もまた何かそれなりの事情を抱えているようです。

財布を持ってナイフを持って
携帯ゲームもカバンに詰めて
いらないものは全部壊していこう
あの写真もあの日記も今となっちゃもういらないさ
人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ

友達と出かけるときに誰もが持っていく財布や携帯ゲームにまぎれてナイフが入っています。

財布とナイフが韻を踏んでいて軽快なリズム感を生んでいるせいか、聴いていてもこのナイフという言葉に刺々しさを感じないんですよね。

二人にとってナイフを持つことは自然なことなんだ、という錯覚に陥るほどです。

「あの写真もあの日記も今となっちゃもういらないさ」から過去を振り返る気はもうなく、死ぬ覚悟は固いことが伝わってきます。

「人殺しとダメ人間」は「君」と「僕」を言い換えた言葉です。

「人殺し」に「ダメ人間」を並べて対比することで、あくまで「僕」は「君」と同じように傷を持つ横並びの仲間なんだよ、というメッセージではないでしょうか。

そして僕らは逃げ出した
この狭い狭いこの世界から
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて君と二人で
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ
もうこの世界に価値などないよ
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか
君は何も悪くないよ 君は何も悪くないよ

先ほど旅の始まりを告げる歌詞がありました。

その後のこのサビの頭で「そして僕らは逃げ出した」が来ます。

二人にとって旅とは逃避行なのです。

逃げることで始まる旅があることを示唆しています。

また、「この狭い狭いこの世界から」で逃げたことで世界が広がったことが分かります。

「家族もクラスの奴ら」が世界の全てだったようですが、そこから脱却することで新しい価値観が芽生えたようです。

皮肉にも『死ぬ』という選択肢が二人の唯一の希望となったようですね。

「人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか」から悪いのは自分たちではない、世界の方だ!という強いメッセージが感じ取れます。

それがそのまま最後の「君は何も悪くないよ 君は何も悪くないよ」に繋がります。

二回繰り返すことで「君」に優しく語りかけているように感じますね。

死への道のりで絆が深まる

結局僕ら誰にも愛されたことなど無かったんだ
そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあってきた
君の手を握った時微かな震えも既に無くなっていて
誰にも縛られないで二人線路の上を歩いた

人と出会う時、何らかの共通点があることが発覚したことによって仲が深まることがあります。

二人にとっての共通点は「誰にも愛されたことなど無かった」ことでした。

ネガティブな繋がりともとれますし、深い部分での繋がりととることもできますね。

いずれにせよ、他の人にはないこの共通点によって二人の関係性は強いものになり、

「君の手を握った時微かな震えも既に無くなって」いたようです。

「誰にも縛られないで二人線路の上を歩いた」からどんどんゴールに向かって進んでいく状況が分かります。

線路はいつか必ず終点という終わりが来ます。

『死』という明確な終点がある以上、永遠に二人の旅は続くわけではないのです。

金を盗んで二人で逃げて
どこにも行ける気がしたんだ
今更怖いものは僕らにはなかったんだ
額の汗も落ちたメガネも
「今となっちゃどうでもいいさ」
「あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」

「今更怖いものは僕らにはなかったんだ」という言葉通り、非行に走る二人。

死ぬために今を必死で生きている二人。

『死』という共通のゴールがあるからこそどんなことでもできるのでしょうが、もし「僕」か「君」が死ぬことに躊躇したなら関係性はどうなってしまうのでしょうか?

それが二人にとっての唯一の恐怖かもしれないなと、ふと感じてしまいました。

いつか夢見た優しくて誰にも好かれる主人公なら
汚くなった僕たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?
「そんな夢なら捨てたよ」
「だって現実を見ろよ?」
「シアワセの四文字なんてなかった今までの人生で思い知ったじゃないか」
「自分は何も悪くねえと誰もがきっと思ってる」

時折考える夢や希望、容赦なく突きつけられる現実。

その繰り返しによってボロボロになった心は信じる気持ちをも奪ってしまいました。

「シアワセの四文字なんてなかった今までの人生で思い知ったじゃないか」の一言に全てが凝縮されています。

突然の「君」の死とその後

あても無く彷徨う蝉の群れに
水も無くなり揺れ出す視界に
迫り狂う鬼たちの怒号に
バカみたいにはしゃぎあい
ふと君はナイフをとった
「君が今までそばにいたからここまでこれたんだ」
「だからもういいよ」
「もういいよ」
「死ぬのは私一人でいいよ」

「あても無く彷徨う蝉の群れに」から二人は蝉と同じように暑い中、行先を見失いかけていることが分かります。

「水も無くなり揺れ出す世界に」では食料や水が尽きてしまった状況が伺えます。

「迫り狂う鬼たちの怒号に」は今まで二人が追われ続け、悩まされ続けてきた世界に対して向けられたものと推察します。

確実に追い詰められていく状況で、ふと「君」が「もういいよ」「死ぬのは私一人でいいよ」と告げます。

「君が今までそばにいたからここまでこれたんだ」は「僕」への感謝ともとれます。

それに対して「だからもういいよ」は「僕」に対する罪悪感から出てきた言葉ではないでしょうか。

いつまでもこんな旅に「僕」を付き合わせてはいけないと。

とうとう「君」は覚悟を決めたのです。

そして君は首を切った
まるで何かの映画のワンシーンだ
白昼夢を見ている気がした
気づけば僕は捕まって
君がどこにも見つからなくって
君だけがどこにもいなくって

ここまで死ぬという明確な目標はあれど、どこでどうやってという具体的なことまでは書かれないまま二人の旅は続いていました。

それが突如「そして君は首を切った」という衝撃の展開を迎えます。

死に場所や安らかに死ねる場所を追い求めて旅をしていたのではなく、これは「君」が覚悟を決めるための旅だったようです。

当然「気づけば僕は捕まって」という状況になり、逃避行は終わり、現実に引き戻されたことが分かります。

そして時は過ぎていった
ただ暑い暑い日が過ぎてった
家族もクラスの奴らもいるのに
なぜか君だけはどこにもいない
あの夏の日を思い出す
僕は今も今でも歌ってる
君をずっと探しているんだ
君に言いたいことがあるんだ

「そして時は過ぎていった」逃避行が終わってから、そして「君」が死んでから時間が経った状況の説明が続きます。

現実は相変わらずで、元の生活にすっかり戻っても「あの夏の日を思い出す」のは、「君に言いたいことがある」からのようです。

言いたいこととは一体何なのでしょうか?

九月の終わりにくしゃみして
六月の匂いを繰り返す
君の笑顔は
君の無邪気さは頭の中を飽和している
誰も何も悪くないよ
君は何も悪くはないから
もういいよ投げ出してしまおう
そう言って欲しかったのだろう?
なあ?

「君は何も悪くはないから もういいよ投げ出してしまおう」これが「僕」が言いたかった言葉、「君」が言って欲しかった言葉です。

最終的に「君」は自ら命を絶ちました。

それは思い残すことがなくなって納得したからではなく、「僕」をこれ以上付き合わせたくなかったからです。

「僕」としてはもっと気持ちよく送り出せたのでは?という後悔が残るところですよね。

その後悔が夏になるたびに「君」のことを思い出させ、当時のことを歌にする動機にもなっています。

夏になるたびに思い出す、つまり夏は「僕」にとってこれ以上ないくらい「君」で満ち溢れている。

『あの夏が飽和する。』とはそういうことだったのですね。

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さいごに

『あの夏が飽和する。』というタイトルの秀逸さ、素晴らしいとしか言いようがありませんよね。

これだけ衝撃的な展開のストーリーながら、曲に不自然さはなく、聴いても読んでも楽しめる作品は他に類を見ないと思います。

曲や歌詞の世界観が好きな方はぜひ小説も手にとってみてはいかがでしょうか。

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