リョクシャカこと緑黄色社会は2011年4月に5人で結成。
2015年12月にドラマーが脱退し、2018年11月に3rdミニアルバム「溢れた水の行方」でメジャーデビューを果たした男女4人組バンドです。
そのミニアルバムの1曲目を飾るのが、今回紹介する「あのころ見た光」。
2020年4月にデジタル配信、同年9月にCDリリースされた2ndアルバム「SINGALONG」にも収録されています。
2021年5月にはマルホ「ニキビ一緒に治そうProject」のWeb CMソングに起用され、456さんのイラストによるアニメーションを彩るタイアップ曲となりました。
「光と風」がテーマの林響太朗監督によるMVでは突風に負けず、光り輝きながら演奏する4人の姿が印象的です。
ギター&コーラスの小林壱誓さんとボーカル&ギターの長屋晴子さんが作詞、キーボード&コーラスのpeppeさんが作曲した「あのころ見た光」の歌詞の意味を考察します。

あのころ見た光 歌詞考察
21歳の不安と焦り

ピアノとコーラスのイントロから始まります。
過去を振り返りながら、現在の立ち位置を確認している様子です。
「こんなふうになりたい」という輝くような未来像があったのでしょう。
不安や期待に武者震いしながら、その目標に向かって仲間と前進してきたことがわかります。
ただし思い描いたとおりの現実になっているのかどうか、気持ちの整理はついていません。
この曲が収録されたミニアルバムでメジャーデビューした緑黄色社会。
その節目にバンドが築いてきた物語を振り返っているようにも感じられます。

作詞・作曲を担当した緑黄色社会のメンバー3人は1995~1996年生まれ。
この曲のリリース当時は22~23歳でしたが、曲作りを始めたのが21歳だったそうです。
20歳で成人しても、大人になったという実感がなかなかわかないこともあるでしょう。
それから1年が過ぎ、21歳になっても思い描いた現実になっていなければ、不安と焦りでいっぱいになるのも無理はありません。
そんな「迷路」のような日々でも、とにかく前進あるのみと力強く励ましてくれています。
後戻りはできない

この曲の作詞は小林壱誓さんと長屋晴子さんの2人で、完成するまでに紆余曲折があったそうです。
とくに小林壱誓さんが21歳のときに書いた歌詞は、ターゲットが狭すぎる点が問題だったとか。
言葉を削ったり足したり、何度も作り直したことでしょう。
「こんなことを続けても意味がない」とあきらめかけたときもあったはず。
それでも投げ出さなかった結果、ストンと腑に落ち、意外に悪くないと思える瞬間が訪れたに違いありません。

実際の曲作りのエピソードやバンドの物語を連想しやすい歌詞になっていますが、この曲を聴く人それぞれの人生を重ねることもできます。
勉強や仕事、恋愛や生活、さまざまな場面で上手くいかないと、目標を立てるまえの過去に戻りたくなることもあるものです。
それでも後ろを向いた途端、前進する風にあおられたという不思議な現象が描かれています。
何かをやめようとしたら「やめないように…」といわんばかりの出来事に遭遇するなど、思い当たる人もいるでしょう。

もしかしたら小林壱誓さんは「個人的な21歳の葛藤」に焦点を当てた歌詞を書いていたのかもしれません。
「塞いで」や「灰」といった表現があるので、希望を持てないネガティブな構想だったからターゲットが狭すぎると感じた可能性があります。
それでも個人的でネガティブな思いを昇華し、希望を見出しました。
その過程が描かれたことで、幅広い層が自分の人生に当てはめて共感しやすい歌詞になったのではないでしょうか。
あなたを照らす光

緑黄色社会のメンバーたちは音楽を聴くことで励まされ、ポジティブに前を向く経験を積み重ねてきたのでしょう。
それは誰かが作った音楽であり、光です。
音楽を作り続けている緑黄色社会ですが、自分が励まされたように誰かを励ますことができているのかどうかについてはまだ半信半疑。
21歳のときはもっと自信がなかったのでしょう。
それでも光り輝く音楽を作り続け、リスナーを励ましたいという熱意が伝わってきます。

曲作りのエピソードやバンドの物語をまったく踏まえなくても、悩みから脱出するヒントが詰まった前向きな歌詞です。
そのうえ実際にもがき苦しみながらも光り輝く音楽を生み出している緑黄色社会のメンバーたちの姿が重なるので、説得力があります。
なかなか目標にたどり着けず、結果が出ない日々が続いていても、いつかはこの曲のように実るはず。
あなたを照らす緑黄色社会の音楽と共に未来を築きましょう。

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さいごに
「あのころ見た光」とは、具体的には緑黄色社会のメンバーたちが21歳の頃に聴いた音楽、憧れた未来像のこと。
同じように、誰かを照らす光となるような音楽を作り、励ましたいという意味です。
曲作りに時間をかけ、2人で作詞したことで、幅広く解釈できる歌詞になりました。
今21歳の人はもちろん、これから21歳になる人、かつて21歳だった人にも刺さるでしょう。
誰かの光に励まされながら、誰かを励ます光になれるといいですね。