今回はbucknumberの『雨と僕の話』の歌詞を考察していきます!
『雨と僕の話』はアルバム『MAGIC』の8曲目に収録された楽曲。ノンタイアップですが多くの人に愛される隠れた名曲です。
失恋した主人公の心が繊細に描かれた楽曲。一体どんな歌詞なのでしょうか?考察していきます!

『雨と僕の話』歌詞考察
雨は涙の象徴

冒頭はお別れのシーンから。
涙を象徴する雨がザーザーと降る中、彼女が遠ざかっていきます。
”おまけのような愛おしさで呼び止めても”という歌詞から、呼び止める側の主人公はフラれた側だと解釈できますね。
”傘を叩く音”とは主人公の涙の音であるのが示唆されます。
悲しみに打ちひしがれて、深く落ち込み未練を抱えている主人公の姿が浮かび上がります。
エンドロールがない恋愛

”エンドロール”とは「映画」で使用される言葉ですね。
しかしここでは”エンドロールはない”と綴られています。
エンドロールが流れる瞬間って、映画内容が幸せでも不幸せでも何かしらの余韻をもたらすときですよね。しかし二人の物語にはそれがなかった。
つまり主人公ほどに「君」には未練や後悔が無かったということだと解釈できます。
余韻に浸るほどの感動的でも感傷的でもない恋愛。
ただ事実だけが流れるように去っていった「君」の気持ちを表しているのだと思います。
君に愛されることで存在する僕

「君」が主人公を振った理由は”馬鹿”だと表現されています。
付き合っている間、「馬鹿」という言葉が横行していたのかもしれませんが、主人公は「君」の本音を汲み取ることができなかったのかもしれません。
「今になって…」という後悔すら感じられるサビです。
「君」に嫌われた後、主人公は自分をもちろん好きにはなれませんでした。
主人公は「君」に愛されることで、自分も好きになれていたんですね。
「君」に愛されない自分を大嫌いな主人公は、簡単に「君」を忘れられない自分を「そこまで阿呆じゃなっかた」と皮肉ります。
失恋が「ありきたりな話」

「失恋」はよくあるお話です。しかし一人一人にとって忘れられない重要な出来事ではないでしょうか?
主人公も自らの体験を振り返り、自嘲気味に”ありきたりな話”だと言います。そういう風に思わないとやってられないのもあるのかもしれません。
感傷に浸ることもなく”痛み”だけが胸に漂うのはあまりにも苦しい展開です。
最初から目に見えないもので繋がっていたのに

付き合っている二人の関係を結んでいるのは「心」。最初から目に見えません。
しかし別れることになった二人がバラバラになるのも、目に見えません。
最初から「目に見えないもの」で繋がっていた脆いものなのに、どうして別れの時は頑丈な紐を切るかのような痛みが伴うのか。そんな悲しい問いが心に浮かんでいるよう。
最後に分かった悲しい事実

”君が触れたもの 全部が優しく思えた”
つまり主人公は、「君」にかかわる全て=「僕自身」も優しい愛に包まれていると思っていました。
しかしそれは誤っていました。
フラれた今となっては「君」は「僕」にだけ冷たい。「僕」だけがその優しさの「例外」だったのだと気付いてさらに深く落ち込むのです。
あるのは痛みだけ

主人公の心に横たわるのは痛みだけ。感傷に浸ることもできずに独りぼっちです。
タイトル『雨と僕の話』は「涙と僕の話」とも解釈できます。つまり「君」は全く存在していないのです。なぜなら「君」は僕を完全に捨ててしまったから。姿かたちがもう見えないんですね。
深い悲しみに打ちひしがれた主人公の哀れな姿が浮かび上がるラストです。

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おわりに
いかがでしたか?
bucknumberらしい女々しさと、共感度の高い歌詞。ノンタイアップにも関わらず多くの人に聴き込まれている理由がよく分かる楽曲です。
bucknumberの隠れた名曲にも目が離せません!