今回は、人気バンド・King Gnuの新曲「雨燦々」の歌詞を考察していきたいと思います。
6月26日からスタートするドラマ『オールドルーキー』の主題歌として書き下ろされた本楽曲。
『35歳の少女』の「三文小説」、『ミステリと言う勿れ』の「カメレオン」など、数々のドラマ主題歌を担当してきたKing Gnuですが、TBSのドラマで主題歌を担当するのは初めてだそう。
曲にはどんな想いが込められているのでしょうか?
ドラマの内容、楽曲コメントと合わせて見ていきましょう!
ドラマ『オールドルーキー』
6月26日から放送開始の、綾野剛さん主演のドラマ。
綾野剛さん以外にも、芳根京子さん、中川大志さん、榮倉奈々さんなど、有名俳優が脇を固めます。
選手としてのピークは過ぎているものの、J3のチームで活躍していた、元サッカー日本代表の新町亮太郎(綾野剛)
突然チームの解散を告げられた新町は、移籍先が見つからず、現役引退を余儀なくされる。
サッカーしかしてこなかった新町は、新しい仕事を探すが軒並み断られてしまう。
あるキッカケで、スポーツマネジメント会社・ビクトリーで働くことが出来た新街でしたが、初めての仕事で、因縁のあるサッカー選手のサポートにつくことになり、無理難題をふっかけられます。
表舞台の選手だった新町が、選手を支えるサポートに転職。
セカンドキャリアで懸命に生きる新町の第二の人生がスタートする。
ドラマ公式サイトより
サッカー選手がサポートに転職というストーリーは、転職が当たり前になった現代社会において、サッカー好きのみならず、多くの人が共感できる物語になっていそうですね。
ドラマの放送が楽しみです!
楽曲コメント
King Gnuの常田大希さんのコメントをご紹介します。
日曜劇場『オールドルーキー』の主題歌のために「雨燦々」という楽曲を書き下ろしました。
お話を頂き脚本を読み込んで行く内に、登場人物達の魅力に引き込まれて時間を忘れて読み耽ってしまったのが良い思い出です。
こんなポジティブなエネルギーに満ちた作品に力を添えられた事をとても嬉しく思っております。
意外にもKing Gnu としては剛ちゃんとの初作品になりますね!
我々としましては今までの自分達には無い、新しいラインの楽曲に仕上がりました。聴いていただくのが楽しみです。どうぞ宜しく!
King Gnuと綾野剛さんの初作品。
ますますどんな曲に仕上がっているのか、楽しみです!
雨燦々 歌詞考察
選べよ 変わりゆく時代を 割り切れなくとも
この瞬間この舞台を 生き抜くから
手答えの無い 今日でさえも紡ぐよ でこぼこな此の道に 降り注ぐ雨燦々と
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
悩ましく 生き惑う僕らの
悲しみさえも 水に流してゆく
冒頭で歌われているのは、目まぐるしく変化する時代を生き抜くため、自分の意志で選択しろ、という力強いメッセージ。
たとえその選択が、腑に落ちない、割り切れないものであっても、今この瞬間を精一杯生き抜くことが、未来に繋がっていくんだという強い想いが伝わってきます。
突然チーム解散が告げられ、表舞台から降ろされてしまった新町が、次の輝ける場所を探して奮闘するドラマの内容と通ずる部分がありますね。
山あり谷ありの凸凹した人生。
思い通りにはいかない世界で、悩み、苦しみ、葛藤しながら生き惑う私達に、雨が燦々と降り注ぎます。
「雨燦々」というタイトルから、すぐに思い浮かぶのが、美空ひばりさんの名曲「愛燦燦」です。
愛燦燦では「思いどおりにならない夢を 失くしたりして 人はかよわい かよわいものですね」と歌われていますが、King Gnuの「雨燦々」にも同じような想いが込められているのではないでしょうか?
錆びついた自転車を走らせて 君へと向かうのさ 雨に濡れながら帰ろう
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
“錆びついた自転車” は、37歳でセカンドキャリアを生きる新町を暗示していると思われます。
選手としてのピークを過ぎて、スポーツマネージメント会社で働き始めた新町。
錆びついた身体をフル活用して、懸命に働いていることが分かります。
家で待つ君とは、ドラマに当てはめると妻の果奈子(榮倉奈々)と、2人の娘のことを指しているのでしょう。
思い通りに進まない人生でも、家で待っていてくれる人のため、前を向いて歩き出そうという前向きな想いが歌われている気がしました。
余談ですが、新町がビクトリーの社長に再会し「働いてみないか?」と誘われたのも雨の日でした。
ドラマのストーリーでも雨が重要なキーワードなのかもしれませんね。
臨時ニュースの報せでは
どうやらこれから土砂降りの雨が降るらしい
傘を忘れた溜め息は
夕立ちが連れてきた夏の匂いに解けてゆく過去を謳う悲しみ達が 雲となり雨を打ちつける
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
突然知らされる土砂降りの雨予報は、人生における大きな出来事が突然やってくることを表現しているのではないでしょうか?
新町がチームの解散を突然告げられたように、いい意味でも悪い意味でも人生の転機は意図しないタイミングで訪れます。
それまで積み上げてきたものが一瞬で崩れ去った主人公。
過去の栄光を憂う気持ちが、どんよりとした雲になって雨を降らせる様子が浮かんできますね。
叫べよ 気の晴れるまで 声は雨に掻き消され
今じゃ何処の 誰にも届かなくても
手遅れになってしまった 未来へさえも繋ぐよ そのバトンを
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
静かに待ってる人がいる 雨燦々と悩ましく
生き惑う僕らの 悲しみさえも水に流してゆく
突然訪れる理不尽な変化に、怒りや戸惑いを感じることもあるでしょう。
常田さんは、そんな時は気が晴れるまで叫べと呼びかけます。
どんなに叫んでも、泣き喚いても、その声は雨が打ち消してくれる。
ひとしきり叫んで、想いを出し切ったのなら、またそこから歩き出せばいいじゃないか。
愛燦燦のラストは「ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む 人生って 嬉しいものですね」と歌われます。
突然閉ざされる未来も待ってる風で微笑んでくる。
閉ざされたなら、また別の未来に向かって歩き出せばいい、そうしたイレギュラーも楽しんでこそ、人生は輝くのだというメッセージは、どちらの曲にも通じる部分があると思いました。
燦々と降りしきる雨は、閉ざされた未来を悲しむ私達の涙も流していく。
過去の悲しみや怒りもかき消し、洗い流す雨は、新しい未来へ進むためのキッカケなのではないでしょうか?
線路沿い風を切り 一直線に君へと向かうのさ 雨に濡れながら帰ろう
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
錆びついた自転車を走らせ、一直線に君の元に走り出す主人公。
前半に比べて ”雨” というキーワードが少しポジティブな印象になったように感じます。
雨燦々と降り注ぎ 夏を弾いて反射した 僕らを映し出す
雨燦々と降り注ぎ 夏を泳いでずぶ濡れの 僕らを映し出す烈しく照りつける太陽よ 僕らを導いておくれよ
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
未来を謳う言葉だけが 風となり森を吹き抜ける
雨は新しい未来へ走り出すためのキッカケ。
燦々と降った雨が上がると、できた水たまりには、君のもとへ走り出す自分の姿が反射します。
真夏の太陽が照らす、でこぼこな道を再び歩き始めた主人公の姿が浮かんできますね。
未来へ向かって進む人々を応援しているように感じます。
選べよ 変わりゆく時代を 割り切れなくとも
この瞬間この舞台を 生き抜くから
青き春の瞬きから 何度醒めようとも紡ぐよ でこぼこな此の道に 降り注ぐ雨燦々と
悩ましく 生き惑う僕らの
悲しみさえも 水に流してゆく錆びついた自転車を走らせて 君へと向かうのさ 雨に濡れながら帰ろう
出典:雨燦々 / 作詞・作曲:常田大希
再びリスナーに呼びかけるKing Gnu。
今、この瞬間を精一杯生き抜くことこそが、重要なのだという熱いメッセージが伝わってきます。
でこぼこ道の人生には、腑に落ちなくても、理不尽でも、どうしようもないこともある。
そこで絶望するのではなくて、新しい未来に向かって、何歳からでも立ち上がって、再び進み出せば良いんだ。
目まぐるしいスピードで変化する現代社会だからこそ、新町のように突然の変化に戸惑うことも多いかもしれません。
そんなときは、この「雨燦々」に込められたKing Gnuからのメッセージを聴いて、次の一歩を踏み出す勇気をもらいたいですね。

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さいごに
いかがでしたか?
今を生きるすべての人が、勇気をもらえる応援歌のように感じました!
これからの活動にも大注目です!