素顔を明かさずYoutubeへの投稿を中心に活動をするyama。
透明感のある歌声、ミステリアスな様相、鋭い歌詞。多くの側面でリスナーを魅了し続けるyama。
そんなyamaの初最新アルバム『the meaning of life』の一曲『天色』(あまいろ)の歌詞を考察します。
『天色』を含むyamaの初アルバム『the meaninh of life』は、「人生の意義を問う」をテーマにyamaらしい哲学をふんだんに含んだ楽曲14曲が収録されています。
その中の11番目に収録されているのが『天色』です。
『天色』はyamaの初作詞楽曲としても注目されています。
一体どのような楽曲なのか、歌詞を考察していきたいと思います!

『天色』歌詞考察
空の青さを知らないまま

主人公の「僕」は地面ばかり見ていたようです。
これは字義通りの地面ではなく、落ち込んだ心が下を向いているというメタファーでしょう。
顔をぱっと上げれば見える青空=生きる上での喜びや幸せにも気付かずに、じっと下を向いている主人公の姿が見えます。
一人だけでは道すらわからない

「白線の上」とは、道路上にある白い線のことでしょうか?進む先を示す何かしらの標識や注意書きのようなものでしょうか。
「僕」には、たった一人でそのサインを無視して踏み出してしまうような危なっかしさがあります。
孤独に耐えながら、立つための軸を失っているような不安感を覚えてしまいます。
うっすらと漂う君の影

どこかおぼつかない雰囲気を持つ「僕」の前に漂ってきたのは、「君の声」。
しかし、しっかりと姿かたちが見えるわけではありません。
存在を「微かに匂う」と表現するyamaの文学的センスの光る歌詞です。
モノクロの世界で生きている「僕」

この世界はたくさんの豊かな色にあふれています。
しかし湿気た顔の「僕」は、その憂鬱な心のせいでその豊かな色合いに気付きません。
まさにモノクロの世界に住んでいるのでしょう。
「明暗さえも分からなくなっていた」という歌詞からは、何が正しくて何が間違っているのか、生きる上での大切な事柄に対しても、しっかりとした回答を出せない状態であるようにも感じます。
絶望と共に走っている

走り続けていれば、いつか膝をついてしまうもの。
きっと「僕」も暗い闇の中を懸命に走っているのでしょう。
でもそこに流れるのは、「灰」と表現された色の水。
視界がぼんやりとし、熱を帯びている身体感覚も伝わってきます。
絶望に陥っているかのような「僕」が表現されている歌詞も秀逸です。
見上げた先にあったもの

ずっと下を向いてきた「僕」が、久しぶりに空を見上げた瞬間。
そこにいたのは「君」だと綴られています。
その瞳は「滲んだ青」と表現され、「僕」の世界に久しぶりの色をもたらしています。
yamaは『天色』の制作にあたり、”自身の楽曲を聴いてくれるリスナーがいるからこそ走り続けられている”とコメントしています。
もしかしたら、『天色』において「僕」はyama自身、「君」はリスナーを示しているのかもしれません。

人は何かに向かって走り続けていると、時に周囲の景色が見えなくなってしまうことがあります。
何を目指していたのか分からなくなるようなトンネルに入り込んでしまうこともあるでしょう。
そういう経験のある人の心には刺さる歌詞ではないでしょうか。
「針のような形をしたまま 僕らは何かになろうとしていた」
yama自身も、もしかしたらこのような経験を持っているのかもしれません。
唯一の救い

下を向いていた「僕」のもとに訪れる「優しく笑った君」。
そんな「君」が持っていた「雪解け」とは、「僕」の凍ってしまっていた心の破片のようにも思えます。
「君」がゆっくりとあたためてくれたから、「僕」の心のじっくりと溶けていったのでしょう。
「僕」はそれを「唯一の救い」だと断言します。
最終的に、「僕」がどんな色を見ることができたのかははっきりとは綴られてはいません。
しかし『天色』という言葉は、”空”や”光り”、”透明”をイメージさせる色ではないでしょうか?
「君」は「僕」の心を、空のような広さと明るい光りで満たしてくれる。
そんなメッセージが『天色』には込めれられているように思います。

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まとめ
いかがでしたか?
周囲の景色がよどんで見えた時、色さえ感じなくなるほどの余裕がなくなった時。
yamaの初作詞楽曲『天色』を聴いて、素敵な「色」を思い出してみてください。