今回はyamaさんのシングル「色彩」のカップリングナンバーとして収録されている「愛を解く」の歌詞について考察してみたいと思います。
yamaさんとは
ロックバンド「BIN」のメンバーとしても活動されている方で、最近女性という事は判明しましたが、それ以外のyamaさん自身の情報は一切非公開で活動されています。
素顔も仮面を付ける事で隠しています。
その理由としては自分に自信がないから、情報ではなく音楽を評価して欲しいから、と挙げられており、繊細な強さと弱さを持ったアーティストだと感じています。
コミュニケーションが苦手
yamaさんは自分自身、自己肯定感が低く自分の発した言葉が相手を傷付けたのではないか、嫌な思いをさせたのではないかと、不安に感じ会話に集中できない事が多いそうです。
そうすると、考える事に疲れてしまい相手と一線引いて付き合う様になり、深い関係になれないとおっしゃっていました。
作詞された歌詞からも感じますが非常に思慮深く、相手の事を思いやれる優しさ故に人間関係を築くのが不器用なのかなと思っています。
その優しさにyamaさんの強さが追いつく日、また一つ大きく成長されるのではないでしょうか。
これからの目標
人間関係が苦手だと悩みながらも、yamaさんはファンの方を非常に大切にしているようで、音楽を続ける目標としてyamaさんの音楽聴いた人たちが楽しくなったり、安らげたり癒されたりして欲しいと願っているそうです。
音楽がyamaさんにとって拠り所の一つであるようにファンの方にもそういう場所であって欲しいし、そういう場所を提供したいと思っていらっしゃるのかもしれません。
楽曲「愛を解く」
2022年11月9日にリリースされた「色彩」のカップリングナンバーとして発表されました。
「色彩」は原作・アニメ共に大人気の「SPY×FAMILY」のエンディングテーマに起用されています。
ちなみにyamaさんも毎週欠かさずアニメ「SPY×FAMILY」をご覧になっているとの事で、yamaさんの感想もツイッターで見る事ができます。
そんなyamaさんが作詞・作曲を手掛けた楽曲が「愛を解く」で、MVが11月19日に解禁されました。
MVの映像はyamaさんが初めて作詞・作曲を手掛けた「春を告げる」のMVを担当したともわか氏が再び担当されています。
愛を解く 歌詞の意味を考察
手放したっていいさ
傷を付け合う運命
ぞんざいな日々は
手離したっていいさ
軽薄な言葉も
紛れもなく愛だろ?
出典:愛を解く / 作詞・作曲:yama
ここに出てくる「手離す」はおそらくyamaさんの造語と考えて良いでしょう。
では「放す」と「離す」にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
「放す」には拘束を解き自由にするという意味があり、持っている物を手放すという言葉です。
「離す」にはくっついている物を離すという意味があり、二つの物に物理的な距離を作る事を指しています。
それを踏まえて歌詞を考察してみると、二人一緒にいると、どうしても傷付けあってしまうから相手への拘束を解き放ち、自由にしようと読む事ができますね。
大切に扱われない日々に耐える必要は無く、二人の関係を手離し二人間に物理的な距離を作るのも良い。
軽くても、言葉足らずでもいいから「言葉」を伝えてくれる方の人を選ぶべき、と背中を押す僕。
それは不器用でも間違いなく愛だから、と相手を大切に出来なかった僕が「君」に最後に見せた精一杯の愛情です。
破れた言の葉
空に散っていく
はらりはらり落ちる様を
眺めていた
戻らない季節で
枯れ朽ちていく
濁り切った水を差して
噛み付いていた
出典:愛を解く / 作詞・作曲:yama
相手を傷付けてしまった言葉、伝える事を失敗してしまった言葉は行き場を失って僕の記憶の中に散り続けます。
相手がそっと流した涙をずっと眺めながら・・・。
過ぎた時間・放ってしまった言葉は決して戻ってこないし、無かった事にはできません。
荒んでいった心と感情だけが君の支えで、それだけを頼りに僕にかみついてきたのでしょうか。
唯一人 僕だけを
見てくれたら
唯一人 君だけが
居てくれたら
そう想ってた
手放したっていいさ
傷を付け合う運命
ぞんざいな日々は
手離したっていいさ
軽薄な言葉も
紛れもなく愛だろ?
出典:愛を解く / 作詞・作曲:yama
僕だけを見ていて欲しかった
君だけが居れば良かった
そこまで強く大切に思っていたはずなのに傷付けあってしまう二人。
だから、君の拘束を解くべきなんだ。
君を大切に出来ない僕からは、君は離れた方がいい。
大切な人を「大切にする方法」が分からずもがき、苦しむ僕達。
だけど、不器用で幼稚な言葉にも確かに愛を込めていたと知っていて欲しい、と僕は思います。
歌い出しのフレーズと全く同じ歌詞が繰り返されたわけですが、視点を変えると全く逆の考察も出来るので、yamaさんの言葉の使い方の上手さに、ぞくっとした瞬間でした!
首元掴んだ
肌の感触
不粋な真似をする奴と
笑ってるんだろう
綺麗な瞳は
離してくれない
さらりさらり溶ける声が
響いていた
出典:愛を解く / 作詞・作曲:yama
例えば、追い詰められた僕の人生をここで終わらせればどうなるのだろう、そう思い首元を掴んでみたけれど、周りからは不粋な真似をする奴だと嘲笑に似た笑いも伝わってきます。
そんな生き辛い時でも、君の澄んだ綺麗な瞳が僕を掴まえて離さない。
聞きなれた心地よい声が僕の心に響いていた。
それだけが僕がこの世にとどまっている理由なのかもれません。
唯一人 僕だけを
見てくれたら
唯一人 君だけが
居てくれたら…
手放したっていいさ
手離したっていいさ
手放したっていいさ
傷を付け合う運命
ぞんざいな日々は
手離したっていいさ
軽薄な言葉も
紛れもなく愛だろ?
愛だろう
愛だろう
なんて残酷なんだろう
出典:愛を解く / 作詞・作曲:yama
僕だけを見てくれるなら、君だけがいてくれるなら
僕は君を手放してもいいと歌っています。
ちなみに「手放したっていいさ」「手離したっていいさ」と歌詞には記載されていますが、MVではこれ以降「放す」の方が繰り返されるのです。
その真意はどこにあるのでしょうか。
私は敢えて深読みし、「離す」を隠しておきたかったのではないかと考えました。
本当は君を「手放し」て解放する事でしっかり向き合いたいと思っていたのかなと思います。
だけど、やっぱり大切なのに、傷付けてしまう現実。
本当は望んでいないけれど最終的には「手離し」て物理的に距離を取らなければ二人はダメになると考えたのではないでしょうか・・・・。
大切だからこそ傷付けてしまう。
誠意の欠片も見当たらない、ごまかし、ごまかし伝えた言葉ですら愛だと錯覚していた僕。
なんて残酷だったのだろう、と最後に主人公は大切だからこそ傷付けてしまった不器用な自分を大きく後悔するのではないでしょうか。
1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
さいごに
いかがでしょうか。yamaさんが作詞・作曲を担当した「愛を解く」の歌詞を考察してみました。
不器用な愛で傷付けあってしまう二人が最終的にたどり着いたのは愛とは残酷だという答えでした。
しかし、心が成長すれば愛の形も愛の受け止め方も変わってきます。
そこまで悲観的にならず、希望すら感じられるのはyamaさんの作曲したテンポのあるメロディーのおかげでしょうか。
永遠のテーマである愛について、生きる事にもがいた繊細なyamaさんだからこその鋭い切り込みで歌われた、非常にyamaさんらしい楽曲だと感じました。