結婚式ソングとしても人気が高いMISIAさんのシングル「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」(2018年8月)は、ドラマ「義母と娘のブルース」(2018年7~9月)の主題歌です。
作詞・作曲はGReeeeN、編曲は東京事変のベース亀田誠治さん、GReeeeNのHIDEさんがコーラスでも参加しています。
「NHK紅白歌合戦」では2018~2020年にかけて3年連続で披露されました。
MISIAさんのチャリティアルバム「So Special Christmas」(2020年11月)には、スバル・レヴォーグのCMソングに起用された「アイノカタチ(So Special Ver.)」が収録されています。
GReeeeNによるセルフカバーはGReeeeNの9thアルバム「第九」(2019年9月)で聴くことができます。
カラオケでも人気のタイアップ曲。
「ぎぼむす」の愛称で親しまれたドラマのストーリーと照らし合わせながら、歌詞の意味を考察していきましょう。

アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN) 歌詞考察
愛にはカタチがある?

この歌の主人公「わたし」は「あなた」への愛について語っています。
冒頭の「あのね」は何度も繰り返される特徴的な呼びかけです。
恋人同士の女性から男性への愛など、幅広く解釈できるでしょう。
ただ「愛にカタチがあるなら」という仮定の話をしている点、呼びかけがかわいらしい言葉遣いになっている点を踏まえると、ドラマ「ぎぼむす」の物語が重なります。
「わたし」は上白石萌歌さんが演じた娘みゆき、「あなた」は綾瀬はるかさんが演じた義母の亜希子と捉えることもできるでしょう。

ドラマでは義母と娘の間に血縁関係はありません。
娘の実母が亡くなったあと、竹野内豊さん演じる実父が大病を患ったことで、娘の行く末を案じて再婚したからです。
こうした展開に沿って考えると「愛には決まりきったカタチなどない」と反発したくなりそうな気がします。
ところが娘は「愛にカタチがあるなら」と切り出し、義母との親子関係しかもう考えられないほどぴったりハマっている、愛していると伝えているのです。
お互いに形作る愛

血縁関係のある親子でも、必ずしもウマが合うとは限りません。
夫婦にしても、もともとは他人同士です。
親子や夫婦はもちろん、それ以外にも人間にはさまざまな愛のカタチがあります。
喜怒哀楽が盛りだくさんの人生を一緒に過ごすことで、それぞれの愛のカタチになっていくという考え方が素敵ですね。
ドラマでも義母と娘がお互いに影響し合い、そのたびに涙をこぼしたり笑い合ったりする姿が描かれていました。

身近な親子関係というのは、愛していると伝えるのが恥ずかしい間柄でもあります。
離れて暮らしてから親のありがたみを実感することも多いでしょう。
自分自身が親になって初めて気づく、親ならではの苦労もあります。
恋人や夫婦関係でも同じこと。
一緒にいないときに痛みを感じる部分が、相手のカタチをしている気がするという表現です。
誰にでも欠けたところはあり、たった1人で生きられる完璧な人間などいないでしょう。
人間は誰かと支え合いながら生きていると実感させられます。
愛を伝える意味

家族や恋人と一緒にいることが当たり前になっている人は、あまり愛の言葉を口にしないかもしれません。
しかし、この歌の主人公はとにかく愛を語り続けています。
それはなぜなのでしょうか。
ドラマを踏まえると「身近な人が突然亡くなることもあるから」でしょう。
誰かが身近にいて、不器用ながらも愛してくれるのがありがたくて仕方がないのです。
出会ったばかりのときは反発していましたが、共に人生を歩むことで2人ならではの愛を紡ぐことができました。

好きすぎて涙が出るというのは、もはや人間愛ですね。
誰からも愛されないとひがむこともできますが、自分から誰かを愛することで人間関係がスムーズになることもあります。
涙ながらに愛を伝える人がいるだけで、まわりまで温かい気持ちになるでしょう。
失う悲しみを心に刻めば、愛や感謝を伝え続けることの大切さが身に染みます。
いつまでも身近な存在と、愛や感謝を伝え合う人生を送り続けたいものですね。

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さいごに
主題歌となったドラマのタイトルには「ブルース」という言葉が入っています。
悲しいこと、辛いことを経験すればするほど、身近な愛のありがたさに気づけるという意味ではないでしょうか。
ドラマでフィーチャーされていたのは親子愛でしたが、根底に横たわる夫婦愛も描かれていました。
そのため結婚式のBGMにもよく使われます。
涙があふれるほど愛する相手にまだ出会っていないという人は、カラオケで歌って気分を盛り上げるところから始めるといいかもしれません。
ロックバンドMY FIRST STORYのHiroさんこと森内寛樹さん、演歌歌手の島津亜矢さんもカバーしています。
さまざまなバージョンと併せて聴き比べるのも楽しいですね。
MISIAさんのアルバム「Life is going on and on」(2018年12月)には1曲目に収録されているので、じっくり聴いてみましょう。