目次
今回は、King Gnuさんの2021年、初のリリースとなったシングル。
「泡」(あぶく)について歌詞考察をしていきたいと思います!
これまでの彼らの曲とは大きくテイストの異なるこの曲は歌詞も聞き取りにくく、どのような意味なのかわかりにくいですよね(笑)
この考察を読めば、歌詞の意味がはっきり理解できます!
それではこの曲について見ていきましょう!
映画「太陽は動かない」の主題歌として話題に!
「泡」は2021年3月5日に公開された映画「太陽は動かない」の主題歌に起用されています。
この映画は藤原竜也×竹内涼真の初共演作品となっており、激しいアクションと息を呑むようなストーリーが話題のサスペンス映画です。
映画のあらすじは、心臓に爆弾を埋め込まれた秘密組織のエージェントが死と隣合わせの極限状態の中でミッションに挑んでいくというもので、人の命や死がテーマとなっています。
映画の主題歌はその内容とリンクすることが多いので、この「泡」も人間の生死を描いているのでしょうか?
話題の映画の主題歌ということもあり、この曲の注目度は相当高いです
作詞作曲を担当した常田さんはこの楽曲についてこうコメントしています
生まれや育ちは選べない 皆それぞれ与えられた運命に 翻弄されながら足掻き抗い生きている
この映画の世界や人々は 果たして我々と無関係なのだろうか 運命の不条理さと
それでも生きることの尊さを 再確認できました
泡のような儚いこの世界に乾杯
映画ログプラスより引用
泡(あぶく)ってどういう意味?
泡とかいて「あぶく」と読むのは私たちにはあまり聞きなじみがないですよね。
「あぶく」とは一体どういう意味なのでしょうか。
あぶく
1水の中に気体を含んでできる小さな球体。
2「あわ」の俗な言い方
goo国語辞書より
「あぶく」と読むと「泡く」という動詞のような感じもしますが、そうではなく、「あわ」の言い換えで単なる名詞のようですね。
用途としては「金魚があぶくを吐く」のような使われ方をするみたいです。
「あわ」ではなく「あぶく」としたのはどういった理由なのでしょうか。それも考えながら歌詞を見ていきましょう!

泡(あぶく)の歌詞を考察!
早速泡の歌詞考察をしていきます!
もしあなたがいなくなることがわかっていたなら

私たちに馴染み深い表現として、「水の泡になる」という言葉がありますよね。主に、「これまでの苦労が水の泡になる」などという使われ方をします。
このことから、泡というのは・意味のないもの・すぐに無くなるような儚いもの。という意味を持っていると言えます。
「きえた」というのは歌詞中にもある「気持ち」であるという捉え方もできますが、今回は「身近な人の命」と解釈します。そう捉えると、映画の内容とリンクしますね。
これまでは実体があり、意味を持っていたものが突然なんの意味もない泡のように消えてしまった。
主人公はもっと清らかに気持ちをぶつけ合っておけばよかったと後悔しています。
人に気持ちを伝えるのは、生きているうちにしかできません。フッと消えてしまった人とはどうがんばっても二度と気持ちを通わせることができないのです。

常田さんのコメントにもあるように、この曲には「運命の不条理さ」というテーマがあります。
死んでしまった人は、もう戻らない。消えてしまった泡も同様です。
私たちにはどうすることもできない運命というものがこの世界には存在しています。
泡のように消えてしまった「あの人」に対し、自分は魚のように、水面を出ても消えることはありません。
泡を追いかけていたはずなのに、水面を出ると泡はもう消えている。しかし、自分だけは消えない。そういった儚い感情を表しているのではないでしょうか。
魚が飛ぶというのは限りがあります。天まで跳んで、貴方に会えたらいいのにという思いが読み取れますね。
運命には逆らうことができない

身近な人がパチンと弾ける様子を近くで見ていたのでしょうか
あのとき自分がなにかしていたら、助けられたかもしれない。
そんな後悔があるのかもしれませんね。
ここで初めて、「心をえぐった」と自分が傷ついている様子がわかります。
死なない人はいません。人は生まれたその瞬間に「死」というものが運命づけられているんです

この「過ぎ去った運命」というのは「なくなった命」そして「身近な命をなくした自分の人生」という二つの意味があると思います
私たちは生まれてから自分の「運命」という道を歩き続けています。
これまで歩んできた道のりは満足できるものだったでしょうか。死の直前に振り返った道は輝いて見えるでしょうか。
少しでも後悔が残っていると、それに囚われたまま死んでいくのかもしれませんね。
そして、「人の死」はその周りの人の人生を大きく左右します。
大切な人の死に直面した。という運命を受け入れられず、その思い出に囚われている自分。
もっと大切にしておけばよかったと歯痒い気持ちを感じているのでしょう。
皆さんは自分の生きてきた道筋に後悔は残していないですか?周りの人がパチンと消えても、後悔のないように接していますか?
泡のように消えたことを受け入れられない心情

泡は水中から出ると、空気と混ざり合い、その実体は見えなくなります。
しかし、たしかに泡を形作っていた空気はなくなることなく、どこかには存在しているのです。
もう見えなくなったけれど、どこかでは元気でやっているのだろうか。
ここには失った人に対して、いまだに希望を持ち続ける心情が描かれています。
聞こえるはずもないとわかってはいるけど、それでも聞こえていると信じて語りかけているのです。
本当に大切な人を失うと、なかなかすぐには受け入れることはできないですよね

ここは昔の記憶を回想していると思われます
日差しの照りつける夏。二人で過ごした思い出はとても鮮やかです。
しかし、思い出の中の大切な人もいつの間にか見えなくなり、残ったのは影だけです。
「どこにいったの」と問いかけても返事は聞こえてきません。
影まで見失ったらもう会えないということを確信しているのでしょうか
ここでの「影」と「泡」は同じような印象を与えますね
影は物に太陽の光が当たることで作り出されるもので、実物がなくなると影もなくなります。
泡は水中だとその姿を確認できますが、空気中に出るとあっけなくなくなってしまいます。
実在しない命にすがっている様子が伺える歌詞になっています

ここで、冒頭部分を繰り返してこの歌は終わります。
全体を通してみると、大切な人の命が「泡」に例えられて、その儚い様子が描かれた歌詞でしたね。

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最後に
ここで改めて、「泡」というものについて考え直してみましょう。
「泡」は水中にある空気の塊です。そして、カタチが見えるのは水中だけで水面まで到達するとすぐにきえてしまいます。
私たちの命は魚のようにしっかりとした形を持っているのでしょうか
それともみんな、泡のようにいつ消えるかもわからないような存在なのでしょうか。
なにはともあれ、泡のように消えてしまっては何も残りません。
この曲では自分がこの世界から消えてしまう前に何をするべきなのか。大切な人が消えてしまう前に何をしてあげるべきなのか。ということがテーマになっていると考えます。
作詞作曲を努めた常田さんが私たちに伝えたかった思いを考えながら、この曲を聞いてみてはいかがでしょうか。